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 先日、少年院の発達障害支援を強化するという法務省の発表がニュースで流れてきました。

 発達障害や虐待などの影響で成長に課題があるものの、適切なサポートがなく、非行に及んだ少年は少なくない。新たな指針では、個々の特性に応じた指導をより充実させて成長を促し、退院後、円滑に社会生活になじめるようにする。

と記事の中では書かれています。

 罪を犯したものに必要なのは「罰」ではなく、「罪に対する償い」と「二度と同じ過ちを繰り返さない支援」が必要だと私は考えています。学校教育における生徒指導も「罰」を与えることに焦点が当たりがちです。しかし生徒指導の目的は「罰」を与えることではありません。彼らがより良い成長をする支援をすることです。

 文科省の調査(2012年当時)によれば、通常学級に在籍する1164校の約5万2千人のうち、6・5%の子どもに発達障害がある可能性が指摘されました。単純計算ですが、この割合をそのまま日本の人口に換算すると、国内の800万人以上に発達障害があるという計算になると言います。

発達障害の人たちの特性は多種多様であり、時に現行の社会に順応できないことや、意思疎通がうまくいかないことも。そのストレスの蓄積は社会や他者に対する抑えきれない怒りに転換されてしまう。

彼らには適切な支援によって、「信頼できる大人」と「自分自身の安全基地」が必要だと言えます。

現行の「刑務所」は、罪に対する「罰」を極限に感じさせ、その空間の実態は「社会復帰支援」とは程遠い環境であるという記事もあります。

 もちろん自身が犯した罪に対する償いが必要です。自分自身の行為によって、他者が傷つくことは許されることではない。一方、罰を与える構図が、彼らの本質的な更生を促すものとして機能するとは思えません。

 大事なのは、人を傷つけるような行為自体を防ぐことができる社会を創造することだと感じています。


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