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#229 多くの個性を活かすために多様な価値基準を提示すること

キャリア教育は学校教育が担う大事な要素の一つです。

彼らが学校を卒業し、どのように幸せに生きていくかを見据える上で、彼らが自分が進みたい進路を見つけるサポートをすることは、未来を見据える教育の本質と言えます。また、彼らの進路と現在の学びがリンクすれば、それだけ学びの意欲は上がります。

現在と未来の橋渡しをする教育の意義は小さくありません。

生成AIを代表とする高度なテクノロジーの出現で、今ある多くの仕事が50年以内には無くなると言われています。これからは「今ある仕事を選ぶ」ことよりも「自分で仕事を作る」ことが求められる時代になるでしょう

ある特定の価値基準をもって誰かから選ばれるのではなく
自ら価値基準を作る重要性が上がっています。

自分で仕事を作るために必要なのは「主体的探究心」だと言えます。

自分が興味関心のあるトピックについて、広い視野で知識、技能、思考を深く学び、より創造的なものに昇華していくこと。

教育ジャーナリストである中曽根陽子氏は、
新しい時代に成功するために必要なことを記事の中で述べています。

彼女は以前から画一的な学歴基準の価値観に違和感を感じ、探究の重要性を説いています。

記事の中にもあるように、京都大学を含めた多くの大学が総合選抜型入試を採用しつつあり、学歴偏重の時代からの脱却を図っています。

一方、この探究というのは実は結構難しい。探究を推し進めていく上で大切なことは、その機会の担保です。世の中には児童生徒の学びを支える学校外での活動が存在するわけですが、経済的問題や地理的問題、家庭環境の様々な要素が絡み合い、いまだ機会の均等とまでは至っていません。

アメリカでは、進学の際、学力以外の課外活動が評価されていますが、成田悠輔氏が指摘するように、その課外活動の質や量は、家庭の経済力に依存するため、逆に格差を広げているというところもあります。

また、自分が興味関心を持つトピックを探すことに困る子もいます。大人でも本当に自分がやりたいことなどわかりません。発達段階の子供達には、探究と言われても、そもそも何を探究したら良いのかわからない人たちも多くいるのです。

大切なのが、それぞれの良いところ取りつつ多様な価値基準を設けること

様々なキャリアの進み方に触れる機会を公教育が担保することにあります。

学力偏重の問題点は、従来型の学び方が悪いのではなく、その価値が絶対視されている私たち、あるいは社会の、その価値観そのものにあるのです。

社会が様々な尺度を用意することで、私たちはより多様で彩りのある人生を歩むことができるようになるのです。

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