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【小説】彼がちょっと重くて(270字ショートショート)

「最初は幸せだったんだよ」
 ようやく真美が重い口を開く。
「うん」
「でも、彼がちょっと重くて。耐えられなくなってきちゃった……嫌いじゃないんだけどね」
「うん」
「今も好きなんだよ。ホントはすごい好きなんだよ」
「うん」
「……彼も私のこと好きだと思うんだけど」
「うん?」
「でも、いったん距離を置きたいかなって」
「……」
「もう今日はイイやって──この唐揚げ」

 真美のその言葉に、側で見ていた店員が安堵のため息を漏らす。

「はい、ではここで大食いチャレンジ終了です! 惜しくも唐揚げ50個完食ならず。ルールの通り1万円をお支払いいただきます!」

《終》

最後まで読んでいただきありがとうございます。




(おまけ)

気づいたら唐揚げの話ばかり書いてる気がする……。私は生粋の唐揚げ好きなのか。他にも好きな食べ物いっぱいあるはずなんだけど。

ならいっそ、唐揚げだけをテーマにいくつ書けるかチャレンジしてみようか、なんて。


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