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#ブラック企業
ゲットバック・マイ・ライフ
銃声がした。目の前の怪物が破裂し、臓物が容赦なく俺に降りかかる。最悪だ。俺は列車内の床に這いつくばり、怪物を撃ち落とした存在に目を向けた。女だ。金髪の青い眼をした女が巨大な銃で怪物を駆除していた。可憐だった。
「間に合ってよかったです」
怪物共を始末した女が手を差し伸べてくる。アニメのような声だ。その手を掴み起き上がる。こんな小さな指であんな銃を振り回しているのか。
「あなたを迎
ゲットバック・マイ・ライフ 2
承前何もかもどうでもよくなってしまった。
つまらない仕事。上から押し付けられる理不尽。自分の事ばかり喚く下。俺を顧みない家族。追いつけなくなった趣味。胸踊る事など何も無い。ただただ家と会社を往復するだけの日々。かといって死ぬのはごめんだ。死にたくないから生きているだけだ。
その日は珍しく午前中の会議が飛んだ。俺のせいじゃない。駅のホームで一瞬の安堵を得た俺は、ふと普段と逆の山手線に乗った。どこ
ゲットバック・マイ・ライフ 5
承前「…この外道が!」
迷彩服の男が大声で罵倒する。投げ飛ばされた白衣の男は呻く。既に血まみれだ。
白衣の男は逃げ出そうとするが、周りは武装した迷彩服に囲まれていた。白衣の男は、何か許しを請うような動きを取るが、迷彩服の隊長と思しき男は取り合う様子も見せず、拳銃を白衣に向ける。
「アノロックには相応の末路だ。死ね。」
そう宣言し、乾いた銃声が響く。白衣の男は糸が切れたように倒れ伏し、こめか
ゲットバック・マイ・ライフ 6
承前軽減されたとはいえ落下の衝撃はひどく、俺はまだそのまま倒れていたかった。だが地面を揺さぶる振動と近付いて来る怒号を感じていれば、ここでのんきにノビてるわけにはいかない。
どうにか気合を込めて立ちあがり、周りを見渡す。真っ赤に染まった空の下のだだっ広い空間だ。ディズニーランドの駐車場ぐらいあるか。あちこちによくわからない機械の残骸や、でかい骨が落ちてる。そしてその広場の両端から、武装した兵士や