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rakugaki_72「美術館へ行こう!【大阪編】大阪市立美術館」


大阪市立美術館

私には「美術鑑賞」という唯一の趣味があります。
その「趣味」にもブームがありまして、第一次ブームが1985年~1987年。第二次ブームが2009年~2018年。
第一次ブームの1987年から第二次ブームがはじまる2009年まで20年以上の月日が経っていますが、その間にも何回かは美術観賞をしています。
ただ「ブーム」の期間は、集中的に「美術館」に出かけているので「ブーム」なんですね。
このブログでは、私の大好きな「美術館」に出かけて、観賞した「美術展」の感想とともに、「美術館」の魅力が一緒に伝えられればなぁと思っています。

「大阪市立美術館」は大阪市天王寺区の天王寺公園内に1936年に開館されました。
2015年には美術館の建物が国の登録有形文化財に登録されています。
私の現存する記録の中で、現在まで「大阪市立美術館」の企画展に出かけたのは4回です。
これは今まで鑑賞してきた「大阪市立美術館」の感想ブログとなります。


1)1986年9/9-10/12「印象主義の先駆者ー近代絵画を拓いた巨匠 マネ展」

印象主義の先駆者ー近代絵画を拓いた巨匠 マネ展

こちらの展覧会、今から36年も昔のため全く記憶には残っていないのですが、チケットの半券と図録が残されていました。
以下、図録より抜粋です。

近代絵画史上に偉大な足跡を残したエドゥワール・マネ(1832年ー1883年)の油彩、水彩、版画などを集めて、わが国初の「マネ展」を開催します。
マネが過ごした19世紀半ばのパリは、ナポレオン三世とセーヌ県知事オスマンによって、近代都市への大改造計画が進められていました。
大規模な森や広場の整備、それらを結ぶ放射線状の大通り、その両側に並ぶ建物の見事に揃った景観と、次々に様相を変えてゆくこの「花の都パリ」には、また、新しい都市の生活や風俗が生まれました。
パリの富裕な家庭に育ち、早くから近代的、都会的な感覚に優れていたマネは、明るい色彩でこの変ぼうするパリの街並みや市民生活をいきいきと描きました。
マネの革新的ともいえる画風は当時、世間からさまざまの反応を受けましたが、後に続くモネ、セザンヌ、ルノワール等に強い影響を与え、やがて印象派へと発展しました。
本店は、これまであまり公開されていなかった愛蔵の名作を中心に、広く世界12ヵ国から油彩および水彩、素描、版画など90余点を集めて展観いたします。

東京は伊勢丹美術館、福岡の福岡市美術館から巡回してきた美術展でした。


2)2014年7/19-10/13「こども展 名画にみるこどもと画家の絆」

こども展 名画にみるこどもと画家の絆

この美術展は6月末まで、森アーツセンターギャラリーで開催していたものが巡回してきたものです。
大阪市立美術館です。
本当は先月にも行きたかったのですが、台風とかでズレ込んでお盆の14日、一昨日に行ってきました。

本展は、2009年11月から2010年3月までパリ・オランジュリー美術館で開催された展覧会、“Les enfants modèles”(「モデルとなった子どもたち」と「模範的な子どもたち」のダブルミーニング)を日本向けに再構成したものです。
もう4~5年も前の、パリの企画展のリバイバルなんですねぇ!

パリのオルセー美術館とオランジュリー美術館、両館の支援のもと、フランス展の企画立案者でオランジュリー美術館の元館長、エマニュエル・ブレオン氏と、成城大学名誉教授、千足伸行氏の監修により、フランス国内に所蔵されている絵画を中心に、新たに作品を選定しなおしたとのこと。
テーマは、描かれた側=モデルとなった子どもの体験と、描いた側=子どもたちの親、または子どもたちと親しい関係にあった画家の想いです。
画家に焦点を当て、その技術や特徴を鑑賞するという従来の展覧会の枠組みを超えて、子どもたちの目線を通じて作品に秘められたメッセージやエピソードを読み解くという、絵画の新しい鑑賞方法を提案する画期的な展覧会だそうです。
モネ、ルノワール、ルソー、マティス、ピカソをはじめとする様々な時代、流派の画家たち約47人による、およそ86点の作品が出展。
「描く側=大人」たちは何を残そうとし、「描かれる側=子ども」たちは当時何を想ったのでしょうか?

日本で開催される本展では、マティス作の《ピエール・マティスの肖像》、ドニ作の《トランペットを吹くアコ》、ボワイー作の《私の小さな兵士たち》など、日本初公開の傑作を多数含んでいるとのことです。

この美術展、実は全く期待をしていませんでした。
子供の絵を集めれば、可愛らしいね、良かったね、みたいな美術展ではないかと、ちょっと穿った見方をしていました。
いや、想像以上に良かったです!
かなり幅広い画家の絵を集めています。
2010年3月に、Bunkamuraザ・ミュージアムで観た「レンピッカ展」。
初めて観て、とても気に入った女流画家さんの絵。
このときに観た、レンピッカの絵も1点ありました。

私的に気に入ったのは、ウジェーヌ・デュレンヌの「身だしなみ」。
もう、本当ジブリみたいで可愛らしい!
それにベルナール・ブーテ・ド・モンヴェルの「ヌムールの寄宿舎」。
淡々とした、黒の制服を着た子供達の通学風景。
何だかその背景に、物語が潜んでいそうで想像力を掻き立てられます。
森アーツセンターギャラリーでのポスターのヒロインになった、アンリ・ルソーの「人形を抱く子ども」はインパクト大ですね。
何でしょう?
何故だか草間彌生さんが頭に浮かびます(笑)
大阪市立美術館でのポスターのヒロインは、ピエール=オーギュスト・ルノワールの「ジュリー・マネの肖像、あるいは猫を抱く子ども」。
こちらはもう、ガンダムに出てくるミネバ・ラオ・ザビにしか見えないとか。(ああ、もうマニアック過ぎて、誰にも理解されない。)
あと、レオナール・フジタのあの独特の子供達が美術展の最後を飾っています。

そうそう、最近は理解を深めるために、必ず音声ガイドを利用しています。音声は竹内まりやさん。
う~、メチャ懐かしい。
一曲歌って欲しいぐらい・・・って思ったら、最後に7年振りになる新曲が流れました(笑)


3)2016年7/9-9/25「デトロイト美術館展 ~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~」

デトロイト美術館展 ~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~

今年からはじまった、8月11日の「山の日」からお盆休みに入っています。
昨日はお墓参りに行って、今日は美術鑑賞に出かけました。
この美術展は6月26日まで豊田市美術館で開催していたものが巡回してきたものです。
大阪市立美術館です。

デトロイト美術館はアメリカ合衆国ミシガン州・デトロイトに所在し、古代エジプト美術から現代美術まで65,000点以上の作品を所蔵するアメリカを代表する美術館の一つです。
1885年に開館して以来、自動車業界の有力者らの資金援助を経て世界屈指のコレクションを誇る美術館として成長しました。
アメリカでゴッホやマティスの作品を初めて購入した公共美術館としても有名であり、今では年間約60万人が訪れているそうです。
美術館のコレクションの中核を成しているの が、モネ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌ、マティス、ピカソなど印象派、ポスト印象派の作家による作品だそうです。
本展では、数々の傑作の中から選りすぐりの、日本初公開15点を含む全52点が紹介されるそうです。

入っていきなり迎え入れてくれる、ピエール・オーギュスト・ルノワールの「白い服の道化師」から期待が膨らみます。
同じくルノワールの、「座る浴女」やクロード・モネの「グラジオラス」などテンションが上がりかけたところで、んんん??ってなりました。
てっきり印象派の美術展かと思っていたら、印象派は最初の十数点ぐらいだけで、残りは「ポスト印象派」「20世紀のドイツ絵画」「20世紀のフランス絵画」などで構成されていて、ちょっと想像していたのと違って拍子抜けしてしまいました。
それでも印象派がまだメジャーではなかった頃の売れ筋画家だった写実の、カロリュス=デュランの「喜び楽しむ人々」やアンリ・ジェルヴェクスの「パリのカフェにて」なども確かに売れ筋画家だよなぁと思えるもので楽しめました。

この美術展は9月25日まで大阪市立美術館で開催した後、10月7日より上野の森美術館に巡回されるそうです。


4)2018年4/17-6/10「江戸の戯画 鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」

江戸の戯画 鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで

今日は天気も良く夏日みたい。
これからもう夏に突入してしまうのでは?と思うぐらいの晴天でした。
ゴールデンウィーク初日の本日、美術鑑賞に出かけました。
大阪市立美術館です。

太平の世が続いた江戸時代には、多くの戯画が描かれました。
一口に戯画といっても多種多様なものがありますが、本展では「鳥羽絵」をキーワードに江戸時代の戯画をご紹介するものです。
鳥羽絵は、広く戯画や漫画を指す言葉として使われることもありますが、より限られた意味では、18世紀に大坂を中心に流行した軽妙な筆致の戯画を指します。
そこに描かれる人物は、目が小さく、鼻が低く、口が大きく、極端に手足が細長いという特徴を持ち、その名は国宝「鳥獣人物戯画」の筆者と伝えられてきた鳥羽僧正覚猷に由来するものとされます。
鳥羽絵は、18世紀の大坂で鳥羽絵本として出版され、その人気は明治にまで及びました。
また、上方に留まらず、江戸の浮世絵などにも影響を与えています。
鳥羽絵を洗練させたとされる大坂の「耳鳥斎」はもちろん、鳥羽絵本の影響を受けたと考えられる江戸の「北斎」や「国芳」、そしてその流れをくむ「暁斎」など、時代や地域により変化しながらも、笑いの感覚は脈々と受け継がれてきました。
本展では、そのような流れを追いつつ江戸時代の戯画のエッセンスをご覧いただくものらしいです。

2010年7月にBunkamuraザ・ミュージアムで鑑賞した「ベルギー王立図書館所蔵ブリューゲルの版画の世界 」と同様、この「江戸の戯画」の世界も繊細に表現されているのに加えてメディア自体も小さいので、近づかないと鑑賞することが出来ないという現実に直面しました。
はじめの頃は順番待ちにイライラしましたが、途中から空いている場所を察知してそこにすかさず観に行くという戦法に成功することができました(笑)江戸時代の人々を描いた、クスッと笑える大っぴらで破廉恥で自由奔放で伸びやかに笑いを誘う大衆画も楽しかったのですが、やはりうさぎや蛙や金魚の擬人化は面白い!
ブリューゲルの変な生き物と通ずるものがあります。
ブラックユーモアで可愛いと思える擬人化センス、流石だと思いました。
特に前期にしか鑑賞することができない、世界初の展示となる歌川国芳の「金魚づくし」シリーズ全9図を鑑賞することができて良かったです。



以上、大阪市立美術館でしたが近くに天王寺動物園やあべのハルカスがあったり、美術館のある天王寺公園も2015年には再整備されており綺麗になっていて、美術鑑賞以外でも楽しめるのではないでしょうか。

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