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少し遅れて待ち合わせ場所に着くと、集団に囲まれ愛想笑いでかわす相手を見つけた。別に困っていないだろうけれど、その中に割り込む度胸はさすがになくて、離れたところで『着いたよ』とメール。幾らと経たずに腕を掴まれ、「一緒に過ごす時間が減った」とむくれる表情に溜飲を下げるのは卑怯?
手袋を忘れた。滅多にないことだから今日だけだと甘く見ていたら思いの外寒くて。「冷たい…」無意識に泣き言が漏れると、合わせた手のひらを丸ごと包んでくれた。驚いて見つめたら、「本当はずっとこうしたかったんだよね」照れたような表情で。繋いだまま歩く、冬の道。