満ちる月に魅せられて。気づけば握り締めていた携帯を片手に家を飛び出した。『もしもし』「今、何してる?」『月を見てた』「え」『あまりに綺麗だったから』一緒に見たくなった、と電話越しではない声が耳を打った。目の前に佇む姿を捉えて、結ぶ眼差しを照らす月がどこまでも追いかける。
140字小説21

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