髪を梳く手つきに誘われて瞼を閉じたら、ふわりと唇が降りてきた。心地良くなって手放そうとした意識を、耳への甘噛みが引き戻す。「この状況で、まさか寝るなんて言わないだろうな」丁寧な扱いもどこへやら、途端に荒々しくなる口づけに酸素を求めて喘がされる。寝かせてくれないのはいつだって貴方。
140字小説10

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