不意に顔を近づけられ、吐こうとした息は口内に飲み込まれた。けれどすぐに離して顰め面。どうしたの、と問えば無言で眼鏡を取り払われて。見えない、と文句をつけると「後でどうでもよくなる」と傲岸不遜な返答。例え見えなくても、手で、耳で、肌で感じられるけれど、その熱を宿した目を確かめたい。
140字小説20

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