注いだグラスを持ち上げようとして止められた。「飲みすぎだ」関係ないでしょ、と吐き捨てて尚も呷ろうとしたら手首を掴まれて。何で止めるのと抗うと、「酔うと泣くだろ」既に歪んでいた顔を見られる前に胸に押しつけられた。弱味を晒したくない強情さを、乱暴に隠してくれる優しさが、痛くて。
140字小説18

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