刻みつけられた痕も、流し込まれた言葉も、うつされた熱も。全て覚えているけれど、消化することは叶わなくて。溢れ出て沈んでしまう前に抜け出したかったのに、「行くな」遮られ閉じられ囲われて、強制的に甘い眠りに落ちるだけ。逃れられたのは涙一筋。向かう先は、自由を追い求めた過去。
140字小説19

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