微睡む午後。肌触りの良い毛布に包まる。浸透する温度の心地良さに吸い込まれ、より一層深い眠りに沈む刹那、無慈悲にも贅沢な時間が破られた。薄らと覚醒すると、無粋な侵入者が甘やかな声で囁く。「温めて?」絆されて冷えた身体に頬を寄せるのは、勿体なくてもこの至福を分け合いたいから。
140字小説22

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