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大学のグローバル化に待ったをかけたい。


世界で活躍する人間になりたい。


身体にぴったりと会ったスーツを着てジェット機に乗り込む。

ニューヨーク、ロンドン、パリ、北京、、、

右手には銀のアタッシュケース

歴史、文化、IT、政治、古来から今まで様々な知識をつけて

異なる肌の人々との話に花を咲かす。

世界を股にかけ商売をするんだ。

大学入学時、漠然とした目標を立てていた。


僕の進学した大学はグローバル教育に力を入れており

国際寮という留学生と共同生活を送る寮があった。

入寮には志望理由書が必要で、そこそこの高倍率を突破する必要があった。

運よく入寮が決まり、世界への扉を開いた気がした。


最終的に僕は国際寮に、そして運営する大学に不信感を募らせることになる。

僕の部屋は4人部屋で、韓国人のルームメイトがいた。

とても気さくな男で知性にあふれた努力家だった。

彼のことを本当に尊敬していた。


ある出来事を境に彼と口を聞かなくなってしまった。

秋頃だったろうか。

僕のクローゼットから頻繁に服がなくなった。

当時、ギャルソンにはまっており、

少ないバイト代を貯めて服を集めるのが楽しみだった。


ある日、帰宅すると寮の共有スペースに

僕のジャケットが脱ぎ捨てられていた。

他のメンバーを疑ったが、誰一人名乗り出ない。


別の日韓国人のルームメイトが無断で僕のヘアワックスを使っていた。

その光景を目の当たりにしてから彼を怪しみ始めた。


休日、彼が外出したすきに、悪いこととはわかっていたが

彼の部屋にこっそり立ち入った。

すると、僕の服が何点か出てきたのだ。


その夜本人を問い詰めたことろ、

彼は綺麗にしらばっくれた。

それどころか無断で立ち入ったことに怒ってきた。


もうこれはどうしようもない。

寮を運営する部署に別の部屋にしてもらうよう頼み込んだ。

その時の職員の対応が非常に不誠実だった。


まあ、〇〇くん、彼も日本にきて短いんだ。

それに証拠もないんだし、いいじゃないか。


日本に来て不安だったら何をやってもいいのか。

留学生の肩を持つ寮に大きな不信感を覚えた。


それからしばらくして私の友人がお酒の空き缶が見つかり退寮処分を受けた。

寮の飲酒禁止のルールを破ったのだ。

しかし、本人曰く、寮内で飲酒はしていないという。

彼の言葉を信じるかは一旦置いておき、

この件だって飲酒したという証拠はない。

荷物をまとめる彼のどこか無念そうな背中を僕は忘れないだろう。


そして、別の日、寮である事件が起きた。

泥酔した留学生の集団が寮のガラスを破壊したのだ。

だが、彼らに退寮処分が下されることはなかった。

僕はこの時に確信した。


明らかにこの寮は、留学生に甘い。

まるで治外法権のようではないか。大きな憤りを感じた。


もちろん全ての留学生が悪だとは思わない。

むしろルールを守って正しく生活している方がほとんどだろう。

僕が怒りを感じているのは大学だ。


外国人を”お客様”として媚を売り続けるのがグローバル化だというのなら

そんなのはいらない。


互いをリスペクトし、共通のルールを守ることでこそ、

生まれる関係があるはずだ。


安くない金額を払って、将来の希望を持って、

いろんな選択肢の中から悩んで僕らは大学を決める。

だからどうか、期待を裏切るようなことだけはしないで欲しい。



7つ下の後輩たちにとって

寮がまなびあふれた場であることを願って





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