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自動巻きの腕時計:人の腕に寄生する半永久機関 (CASE 9/100)


▲「自動巻きの腕時計」とサステナビリティ

私の家の中で、電気を使わずに動くものは、ほとんど思いつきません。ぱっと思いついたのは、一番下の子のお気に入りのミニカーくらいでした。
いや他にもあるはずだと、必死に部屋中探してみると、機械式の腕時計、特に自動巻きの時計が目に留まり、それが家の中で、異彩を放っていることに気づきました。


腕時計の中でも、機械式のものはその駆動力に電気を用いていません。一般的には渦を巻いたようなゼンマイ形状のバネが内蔵されており、そのゼンマイを物理的な力で巻き込み、その復元力を時計の動力として活用します。
ゼンマイは、人がネジを直接的に巻くこともありますが、他には、人の歩行時などの腕の動きを活用することもあります。腕が動くことで、時計に内蔵された重りのついた部品が振り子のように振られ、その振り子運動を通じてゼンマイが巻き上げられていきます。
このように、人の動きを活用してゼンマイを巻く時計を、「自動巻き」と呼びます。

自動巻きの時計は、仮に毎日腕につけて生活していると、勝手にゼンマイが巻き上げられるため、電池などの動力源を装着したり、自分の指で巻き上げたりせずとも、理論上は半永久的に動いてくれることになります。
視点を変えると、自動巻きの腕時計は、人間に寄生してその動力を得ており、人間の動物としての動きを活用して、腕時計は再生可能なエネルギーを得ているわけです。

「再生可能エネルギー」というと、風力や水力、潮力など、環境の中の運動エネルギーという非常にスケールの大きな発想ばかりしがちです。
一方で、この自動巻き時計のように、身の回りの小さなエネルギーを活用して小さな機械を動かし続けるーそのような小さな範囲で閉じたエネルギー循環の可能性はまだ他にも残っているかもしれません。

▲キュレーション企画について


イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。
2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者


i.lab マネージング・ディレクター 横田幸信

▲i.labについて


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