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ストランドビースト:風の力と技術の力から生み出された人工生命(CASE: 38/100)


▲「ストランドビースト」とサステナビリティ

「風の妖精」、私がストランドビーストを初めて見たときの印象です。
ストランドビーストは、オランダのキネティック・アーティストのテオ・ヤンセンによって生み出された「人工生命」です。なお、「STRANDBEEST: ストランドビースト」は、オランダ語で、砂浜を意味する”Strand”と、生命体を意味する”Beest”の2語を繋げた、テオ・ヤンセン自身による造語です。

吹き寄せる風を動力源として、ストランドビーストは砂浜を闊歩します。主に木材で骨格が作られており、一見不気味で複雑怪奇な動きをしていますが、その全体的な動き、また部品単位の小さな動き、あらゆるところに美しさをも内包しています。テオ・ヤンセンが言うように「生物」のような可愛さ、そして不完全さも感じさせる物体です。

自然環境を大切にし、人間の営みである社会生活や経済活動とサステナブルな共生関係を築くこと、それはこれからの私たちの一番大きな課題でしょう。

「風の妖精」であるストランドビーストを見ていると、人間が作り出した文明や技術と自然の関係性は決して遠くないということを実感します。風の力と人間の技術力によって生き物のように動き回る「風の妖精」ストランドビーストは、愛らしくも見え、自然や環境と、人間とのこれからの持続可能な関係性について、肯定的な感情を抱かせてくれます。

▲参照資料


▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。
2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.lab マネージング・ディレクター 横田幸信

▲i.labについて

i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。

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