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アルカンターラ:オリジナルの天然皮革を機能と価格で超える、高級人口皮革。 (CASE:59/100)

▲「アルカンターラ」とサステナビリティ

自分の車を運転していて、信号待ちの時間についついやってしまう癖があります。眩しくもないのに、運転席上部のサンバイザー部分を撫でてしまうことです。理屈抜きで、その部分の触り心地が大好きだからです。

私の車のサンバイザーに使われている「アルカンターラ」という素材をご存知でしょうか。アルカンターラは、「東レ」とイタリアの工業会社「Eni」の合弁で設立されたイタリアのイガント(後のアルカンターラ社)が製造・販売する商標登録されたスエード調の人工皮革素材の呼称です。動物の革を使っていないだけではなく、カーボンニュートラル認証を取得しており、主にヨーロッパの自動車内装等の分野で採用されている、環境フレンドリーな素材と言えます。なお、日本においては、アルカンターラと同等品を「ウルトラスエード」と呼ぶケースもあるようです。

アルカンターラは天然皮革であるスエードと比較して、デザインの自由度が高かったり、安価だったり、メンテナンスが楽だったり、優れた部分が多くあります。しかしながら、一般的には、人工皮革素材に対して、「合成皮革」や「人工皮革」、「フェイクレザー」という呼称を使われることも多く、どうしても天然皮革と比較して、偽物感や代替品感が強く感じられます。

私が注目している点は、アルカンターラが、敢えてレザーやスエードという元々の革を連想させる文字を使っていないところです。天然皮革の代替品だったり、品質向上を主張したりするのではなく、独自の存在としての名前を持っています。スポーツカーにおいては、シート等の内装にアルカンターラを利用しているものは、高級感を感じさせるということで、敢えて「アルカンターラ」という素材表記がカタログ等に記載されています。天然皮革の表皮を用いた場合と比較して、価格が同等以上の場合もあります。

これからは環境的観点で、これまで親しんできた素材や材料が使いにくくなり、代替品を用いる場合も多くなってくるでしょう。その際に、オリジナルのものの代替であることを敢えて主張せず、アルカンターラのように新たな素材として存在をリセットするということもまた、代替品の持つ優れた部分を正しく評価してもらうことにつながるのではと思います。

▲参照資料

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。

2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.lab マネージング・ディレクター 横田幸信

▲i.labについて

i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。

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