飯田昭人

北翔大学心理カウンセリング学科教授。公認心理師、臨床心理士。警察心理職等を経て現職。一…

飯田昭人

北翔大学心理カウンセリング学科教授。公認心理師、臨床心理士。警察心理職等を経て現職。一般社団法人北海道臨床心理士会会長。北海道いじめ問題審議会会長。不登校・非行・発達障害、貧困,SNSなどの問題に関心がある。お問い合わせは iida.akihito@gmail.comまで。

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  • ネパールスタディツアーに参加して

    2014年3月7日から14日まで、ポカラを中心に複数の学校に訪れ、子どもたちと活動した記録を21回にまとめたものです。

最近の記事

コロナウイルス騒ぎにおける子どもや家族の心理面についての雑感その4~朝日新聞朝刊(2020/3/8)第23面道内版に掲載されたインタビュー記事を振り返って

 本日(2020年3月8日)、朝日新聞朝刊(北海道版)の第23面に、コロナウイルスでの休校について、子どもや大人にどういう影響があるのかなどについてインタビューをしていただいた記事が掲載されました。記事の全体の構成は、2つの家族のケースがまず紹介され、そのあとに私の記事が続く形です。よろしければ、ぜひ、朝日新聞をお買い求めていただければと思います。以下、私の分の記事と、私がここで振り返ったことを記載しています。  休校している間、保護者や周囲の大人たちは子どもとどう向き合っ

    • コロナウイルス騒ぎにおける子どもや家族の心理面についての雑感その3~自宅にいることが多くなる子どもたちへの心理的影響について~

       今のような介護制度になる前のとき、介護の本を読んでいたときの一文はおよそ次のようなものでした。「この介護がいつまで続くのかわかるのであれば、何年でも介護できる。でも明日終わるのか10年続くのかわからないこの状態がとてもつらい」と。  このまま3月いっぱい、主に小中高生の休校措置が続いた場合、子どもの心理的影響がどうなっていくのか、研究者としては調査したい、いや、すべきなのだろうと思いました。3月で収束するのかどうなのかも現時点ではわかりませんが。 1. テレビやネット視聴

      • コロナウイルス騒ぎにおける子どもや家族の心理面についての雑感その2惨事ストレスについて

        1. 惨事ストレスとは  Wikipediaの最初のほうには「通常の対処行動規制がうまくいかないような問題や脅威(惨事: critical incident)に直面した人か、惨事の様子を見聞きした人に起こるストレス反応」と記載されています。  主に、警察官や消防士、自衛官などの災害救援者は、「怖い」「逃げたい」とはなかなか言えません。むしろ、人々からは「よろしくお願いします」「しっかりやってください」と言われ、つらくても業務ゆえにそれに向き合わなければならず、結果として、不眠

        • コロナウイルス騒ぎにおける子どもや家族の心理面についての雑感その1

          1. 不安を感じるかどうかは個人差があります  私たち人間は敏感な人もいれば鈍感な人もいますし、全般的に不安や恐怖を感じやすい人もいれば、ある出来事に対して不安や恐怖を感じても、別の出来事にはそんなに不安や恐怖を感じない人もいます。  普段の生活を送るのが難しいくらい、例えば、眠れない、食欲がない、落ち着かない、怒りや悲しみが込み上げてくるなどの状態の方は、少し不安が高いのかもしれません。でも、それは異常時における正常な反応であり、可能であれば、ゆっくり休んでいただきたいと思

        コロナウイルス騒ぎにおける子どもや家族の心理面についての雑感その4~朝日新聞朝刊(2020/3/8)第23面道内版に掲載されたインタビュー記事を振り返って

        • コロナウイルス騒ぎにおける子どもや家族の心理面についての雑感その3~自宅にいることが多くなる子どもたちへの心理的影響について~

        • コロナウイルス騒ぎにおける子どもや家族の心理面についての雑感その2惨事ストレスについて

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          21本

        記事

          2019/10/14北海道新聞朝刊に私のコメントが掲載されました

           ちょっと前になりますが、10月14日(月・祝)の北海道新聞朝刊第13面に、道新が力を入れてきた「子どもを守ろう」シリーズの振り返りとして、2名の記者の記事と私の総括のようなコメントが掲載されました。  以下のリンク先では、来年3月末まで道新の許諾をいただき、その私のコメントの記事がアップされています。  以下3点について述べさせていただきます。 1.自画撮り被害に遭うということ  北海道では、青少年健全育成条例が改正され、自画撮り被害に関する内容が追加されました。そ

          2019/10/14北海道新聞朝刊に私のコメントが掲載されました

          本日(2019/5/7)、北海道テレビ放送(テレビ朝日系列)の夕方の情報番組「イチオシ!!」にVTR出演させていただきました。

          そのことについての記事がリンク先に貼ってあります。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190507-00000006-htbv-hok&fbclid=IwAR3AwX4hkx6IFyOLjmF8x82vqsolfxO-UccdkQsyCYRKeFe_ACOvQ7TahDw 本日お昼前に職場にお電話がありました。H大のKさんに最初依頼し、Kさんより私をご指名いただきました。 10連休後の子どものこころのケアなどについてお話を聴きたい

          本日(2019/5/7)、北海道テレビ放送(テレビ朝日系列)の夕方の情報番組「イチオシ!!」にVTR出演させていただきました。

          2018/8/15 北海道新聞第2社会面にコメントが掲載されました

           本日8月15日北海道新聞朝刊第2社会面の記事「不安や悩み 相談を」という、「子どもを守ろう」のシリーズの中で、私のコメントが次のように掲載されています。 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/218351 「学校生活に悩みを持つ子どもにとって、休み明けは大きな精神的負担になる。誰にも頼れず孤立するのを防ぐため、多様な窓口でSOSを拾うことが大切」  記事には、道教委がLINEを使った「どさん子ほっとLINE」の試行や、チャイルドラ

          2018/8/15 北海道新聞第2社会面にコメントが掲載されました

          怒涛の1週間で学んだこと

           先週の1週間は、自分にとってなかなか密度の濃いものだった。  通常の講義のほかに、2つの講演、1つの外部講義、そして若手勉強会、あとテレビのコメントと新聞の記事へのやりとりなどがあった。以下、振り返ってみたい。 1.北海道青少年育成協会での講演について  11月8日(水)は、北海道青少年育成協会から依頼された基調講演を行わせていただいた。事前にいただいていた名簿には、道内で子どもに関する様々な取り組みをされていらっしゃる約160名近い方々にご参加いただいた。非行というカテ

          怒涛の1週間で学んだこと

          11/10 北海道新聞朝刊にコメントが掲載されました

           北海道新聞朝刊に6回にわたり連載されていた、「子どもを守ろう」というテーマの第1部「ネット社会のワナ」で、専門家インタビューとして、コメントを大きく掲載していただきました。 ※新聞には著作権がありますので全体を引いてアップしました。  担当記者の下山さんには丁寧にいろいろお聞きいただいたことにまず感謝申し上げます。  今回は表現のむずかしさを痛感しました。一点残念だったのは、「母子家庭や共働きの困窮世帯では、親の目が行き届いていない例が多い」という一文です。これは結果

          11/10 北海道新聞朝刊にコメントが掲載されました

          公認心理師カリキュラムについて

           北翔大学教育文化学部心理カウンセリング学科と、北翔大学大学院人間福祉学研究科臨床心理学専攻では、平成30年度入学の学生に対し、日本で初めてとなる、心理職の国家資格である公認心理師に関する新しいカリキュラムをスタートする予定です。  本日、10月11日(水)、上記に関して、北翔大学のホームページにアップされています。  http://www.hokusho-u.ac.jp/info/?i=1444  名称独占資格として、公認心理師の資格のない人が「公認心理師」「心理師」

          公認心理師カリキュラムについて

          ミサイル発射における子どもたちへの心理的影響について

           今回の北朝鮮のミサイル発射において、子どもたちの不安の高さが心配されます。大人も不安な気持ちであれば、子どもも不安になるのは当然ですね。  大規模な災害や事件・事故が起きた際もそうですが、子ども(特に年齢が低く、自分の気持ちを言葉で表すのが不得手である場合)によっては、不安や恐怖の気持ちが喚起されてしまう場合もあると思います。  保護者や先生など子どもと濃密に接する皆様は、根拠のない「大丈夫」という言葉がけもよくないですが、私たち大人が、必要以上に混乱せず、一日いちにちを

          ミサイル発射における子どもたちへの心理的影響について

          札幌市学校教護協会で講演をさせていただきました。

           2017年5月23日(火)ライフォート札幌にて、札幌市学校教護協会非行対策研修会で講演をさせていただきました。主に札幌市内の中学校と高校の生徒指導担当の150名ほどの先生方にご参加いただけました。  教護協会のホームページには「札幌市学校教護協会は市内及び近郊の各学校の生徒指導上における連携を図り、主に校外生活の健全化に当たることを目的として大正15年に札幌師範学校、第一中学校、第二中学校、工業学校、北海中学の5校で設立されました。今年で設立90年を迎え、中学生と高校生の

          札幌市学校教護協会で講演をさせていただきました。

          『貧困のなかでおとなになる(中塚久美子著、かもがわ出版、2012年)』を読み終えて

           朝日新聞記者である中塚久美子さんの著書『貧困のなかでおとなになる』を読み終えた。 https://www.amazon.co.jp/貧困のなかでおとなになる-中塚-久美子/dp/4780305705/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1493819773&sr=8-1&keywords=中塚久美子  今年2月17日から19日までの、子どもの貧困対策センターあすのばが主催した「子どもの貧困対策レベルアップ研修会2017」に参加した際、講師の一人としていらしてい

          『貧困のなかでおとなになる(中塚久美子著、かもがわ出版、2012年)』を読み終えて

          本日(5/2)北海道新聞朝刊生活12面に私のコメントが掲載されました。

          本日(5/2)北海道新聞朝刊生活12面に私のコメントが掲載されました。 新生活から1ヶ月・・・ 「五月病」気をつけて という見出しの記事がありますが、前半は産業医/精神科医の先生のコメントで、主にメカニズムや医学的視点からの対処方法が述べられています。 ※新聞には著作権があるので、全体を引いて掲載しています。 後半には、私のコメントを掲載していただいていて、関連分は以下の通りです。  一方、大型連休を前に、「新生活の適応で使った『心のエネルギー』の不足が五月病を招くこ

          本日(5/2)北海道新聞朝刊生活12面に私のコメントが掲載されました。

          第3回北海道ネウボラ研究会に参加しました!

           昨日、3月27日(月)に急きょ、上記研究会に参加しました。  突然の参加をお認め下さいました、ネウボラ北海道代表の五嶋さん、本当にありがとうございます。  ネウボラとは、「フィンランドの子育て支援施設で、妊娠から学童期までの一貫したワンストップの相談窓口」を指します。 詳しくは、下記ブログ NPO北海道ネウボラブログ http://ameblo.jp/neuvola-sapporo/ をご参照ください。  札幌医科大学の澤田いずみ先生、北海道保健福祉部こども未来

          第3回北海道ネウボラ研究会に参加しました!

          北翔大学ポルト市民講座「子どもの生きづらさを考える」を振り返って

           3月19日に開催しました北翔大学ポルト市民講座「子どもの生きづらさを考える」について、このnoteで振り返りたいと思います。  私の在籍している北翔大学は、地域の皆さんとの取り組みを大切にしたい、少なくとも私はそう思っています。  市民講座の冒頭に、私は15分時間をいただき、企画趣旨についてお話をさせていただきました。  その後は、この講座で私が最もお呼びしたいと考えていた3人の先生にお話いただけることができました。  まず、基調講演者としてお話いただいたのは、

          北翔大学ポルト市民講座「子どもの生きづらさを考える」を振り返って