ミサイル発射における子どもたちへの心理的影響について

 今回の北朝鮮のミサイル発射において、子どもたちの不安の高さが心配されます。大人も不安な気持ちであれば、子どもも不安になるのは当然ですね。

 大規模な災害や事件・事故が起きた際もそうですが、子ども(特に年齢が低く、自分の気持ちを言葉で表すのが不得手である場合)によっては、不安や恐怖の気持ちが喚起されてしまう場合もあると思います。
 保護者や先生など子どもと濃密に接する皆様は、根拠のない「大丈夫」という言葉がけもよくないですが、私たち大人が、必要以上に混乱せず、一日いちにちをいつものようにしっかり過ごしていくことがまず大切でしょう。それを子どもたちは見ているのですから。
 また、こういう異常事態では、いわゆる普段はこころに蓋をして、出てこないような感情が子どもから出てくる場合もあると思います(幽霊を見たことがある、死んだ○○がでてきた。実はずっと△△で悩んでいたなど)。そういう不安や恐怖を訴えてきた場合は、できる限り、お話を聴いて、少しでもその不安な気持ちに寄り添い、安心していただけるように対応していくことが大切だと思います。無理に否定せず、「そうなんだ、そういう気持ちなんだね」と聴いていくことが必要だと思いますし、家族であれば、手を握ったり、身体接触をしながら安心感を与えることも大切だと思います。

 私のfacebookのタイムラインで、「今朝、小学生たちが、ミサイルが落ちたらどうなるの?戦争になったら、どうなるの?と聞いてきました。」というコメントがありました。そういう反応が日常の子どもたちの素直な気持ちかもしれませんね。「戦争にならないように国や大人は努力しているし、今現在はミサイルが飛んできてはいないので、不安だとは思うけど、いつも通り生活しようね」と伝えたいですね。でも、子どもによっては、個別にゆっくりそばにいてあげたほうがよい場合もあると思います。また、子どもによっては不安が何日も続く場合があるかもしれません。

 ミサイル発射が引き金となって、うつ状態のようになったり、急性ストレス障害(ASD)になったりする子どももいるでしょう。気になったら、学校の先生を通し、スクールカウンセラーや、可能であれば、精神科や小児科の医師などに相談できればよいと思います。数日続く不安や恐怖は、「異常時における正常な反応」かもしれませんが、2~3週間続くようであれば、医療機関や子どもの相談機関に行ってみることも必要かもしれません。

 私自身の子どもの様子もいつもと違って心配でしたし、いろいろとご相談いただいたお子さんを持つご家族や学校の先生とのやり取りを通して、上記のような見解をアップすることにしました。

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