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コロナウイルス騒ぎにおける子どもや家族の心理面についての雑感その2惨事ストレスについて

1. 惨事ストレスとは
 Wikipediaの最初のほうには「通常の対処行動規制がうまくいかないような問題や脅威(惨事: critical incident)に直面した人か、惨事の様子を見聞きした人に起こるストレス反応」と記載されています。
 主に、警察官や消防士、自衛官などの災害救援者は、「怖い」「逃げたい」とはなかなか言えません。むしろ、人々からは「よろしくお願いします」「しっかりやってください」と言われ、つらくても業務ゆえにそれに向き合わなければならず、結果として、不眠や食欲不振、悲惨な状況の映像などがフラッシュバックするようなストレスにさらされることを指します。

2. 街中の様子から
 北海道は外出を自粛するように北海道知事から要請されていますが、今日(2020/3/1)は仕事(大学院入試)のため外出しました。SNSで言われているように、複数のドラッグストアやホーマックに行きましたが、確かにトイレットペーパーもなく、ドラッグストアでは多くの人がいて、マスクやアルコール消毒液がないことから、イライラしているように見える人がいました。イライラする人に対応することほど、ストレス(ストレッサー:ストレスの原因)になることはありません。
 外に出て思うことは、医療機関で働いている人もそうでしょうし、多くのお店で働いている人は、「ウイルス感染の恐怖」だけではなく、「イライラしている人に厳しい口調で苦情を言われるのではないかという恐怖」にもさらされているようにみえました。いわゆる「惨事ストレス」にさらされていると思います。

3. 苦情を言う人の背景と、多くの人が惨事ストレスにさらされないために
 精神分析には「防衛機制」という考え方があります。意識的に行うというよりは、自分の心を守るために無意識的に行うことで、その一つに「昇華」という概念があります。反社会的な欲求や感情を、社会に文化的に還元出来得るような価値ある行動へと置き換えること。例えば、スポーツなどで発散することを指します。 
 厳密な意味では「昇華」ではないのかもしれませんが、「苦情」という現象を考えてみると、自分のさまざまな怒りや憤りを、苦情という相手が原則逆らえない形で表出することがあります。本当にその物事に対して怒っているよりも、自分自身の抱える怒りや腹立たしさ、憤りなどを発散している可能性があるというのが、防衛機制の考え方のひとつである「昇華」であるようにみえます。
 私自身、キレることが少なくないので(汗)、強い口調で言おうとしたりSNSなどに書こうとしたりする前に、一呼吸おきたいものです。
前回のnoteでも書きましたが、私たちはこころの蓋が外れた状態であったり、高揚感があったりして、少しハイテンションな状態であったりするのかもしれません。こういった状況でも働く必要がある多くの方々が惨事ストレスにさらされないように、私たちのできることはたくさんありますよね。
 某店で噴射器を探していたら、親切な店員さんに「今必要ですよね。気を付けてくださいね」と言われました。研究室という個室にいることが多い私よりも、多くの人に接する店員さんこそ気を付けてほしいと思います。「親切にありがとうございます。噴射器も見つかり、やさしい言葉をかけていただき元気が出ました!」と母親くらいの年代の店員さんにお伝えすることができました!


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