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コロナウイルス騒ぎにおける子どもや家族の心理面についての雑感その1

1. 不安を感じるかどうかは個人差があります
 私たち人間は敏感な人もいれば鈍感な人もいますし、全般的に不安や恐怖を感じやすい人もいれば、ある出来事に対して不安や恐怖を感じても、別の出来事にはそんなに不安や恐怖を感じない人もいます。
 普段の生活を送るのが難しいくらい、例えば、眠れない、食欲がない、落ち着かない、怒りや悲しみが込み上げてくるなどの状態の方は、少し不安が高いのかもしれません。でも、それは異常時における正常な反応であり、可能であれば、ゆっくり休んでいただきたいと思います。

2. 異常時における人間の心理
 人間は、比較的落ち着いているときに、悩んでいて苦しいということはほとんどありません。比喩表現ですが、こころに蓋をしているので、日常でその蓋がとれてしまって、こころの中の悩みがあふれることはほとんどないでしょう。
 しかし、異常時には、そのこころの蓋が取れてしまって、こころの中にしまい込んでいた悩みがあふれることがあります。
 ウイルスという見えない恐怖がある中で、そのこころの蓋が外れて、不安に駆られる人がいるのも無理はありません。そして、子どもだけではなく、むしろ大人も同じようにこころの蓋が外れて不安になることは少なくありません。
 大人は、これまでの経験をもとに思考します。ですが、約1か月学校が休校になるかもしれない、経験したことのない状況で、落ち着いて思考することができずに、予期不安といって、「これからもっと大変なことになるかもしれない」と思い、その大人の不安が子どもに伝わることは往々にしてあります。
 子ども自身も不安を抱えることはありますが、むしろ家族などの身近な大人の不安が伝わることが多いでしょう。それに加えて、テレビやネットなどで繰り返し映し出されるウイルス関連の映像を見ることで、そういう不安が強化されてしまう場合もあるでしょう。

3. 混沌とした中で私たち大人に求められること
 胆振東部地震の際も、悪質な(流してしまった人は善意からかもしれませんが)デマがありました。今回も「マスクを大量に生産しているから、その分トイレットペーパーがなくなる」というデマも耳にします。混沌とした状況に私たちは立たされています。
 大人といえでも、不安の高い人もいれば低い人もいます。人間ですから、それは当たり前のことです。それに不安とは漠然と生じるばかりではなく、仕事のこと、生活のこと、お金のことなど、私たちはいろいろな背景を抱えていますので、不安があって当然ですし、こういう混沌とした状況では、「自分はいつもと少し違う状態であるかもしれない」と思っていただきたいです。そして、できれば、心身ともに無理をせず、身近な人との対話を心がけていただければと思います。お話することで、かなりストレスが軽減されると思います。
 人間には「ストレングス(強み)」が備わっています。過度に不安にならず、多く情報の中から信ぴょう性の高いものを選び、落ち着いて生活できることが望ましいです。家にいることが多くなりがちなので、少し体を動かせるようなストレッチや家事などをしてみるのも有効だと思います。
 私たち大人が落ち着いて一日いちにちを過ごしていくことが、子どもたちにとってのこころの安定につながっていくと思います。

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