市川珠輝

シナリオ、小説書いてます。 代表作『ななついろ★ドロップス』『時計仕掛けのレイライン』…

市川珠輝

シナリオ、小説書いてます。 代表作『ななついろ★ドロップス』『時計仕掛けのレイライン』シリーズ、近著『暗殺候補生 蒼き薔薇のエヴァレット』 お仕事のご依頼はこちら>itchitama@yahoo.co.jp booth通販はこちら>http://ichitama.booth.pm

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記事一覧

「少女文学 第二号」に参加します&本文サンプル

第一号のときから、大好きで、何度も読んだ“少女小説”をテーマにした豪華なアンソロジー「少女文学」。その二号に参加させていただきました! 二号は「ファンタジー」特…

市川珠輝
4年前
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悶絶★バイトヘル #2 円環の理に連れ去られるバス乗降調査

ところで皆様におかれましては、怪しい短期バイトに携わられたことはおありでしょうか。 わたくしは、あります。 大有りでございます。 今から約二十年ほど前の関西で、朝…

市川珠輝
4年前
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ショーン・タンの世界展

どおおしても行きたくて仕方無かった『ショーン・タンの世界』展。 いわさきちひろ美術館まで行ってきました。 うちからかなり遠い場所だけど、行って良かった。ほんとそ…

市川珠輝
4年前
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思い出したの。

長らくパスワードがわからず放置しちゃってたnote。 ふと思い出したので更新してみたよ。 どうでもいーことばかりの毎日なので、そのへん書いていこう。ライフハックとかな…

市川珠輝
4年前
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悶絶★バイトヘル #1 秋の日に長靴を置いて。

わたくしは、闇属性のアルバイトが多い人生でした。 これは違法スレスーレであるとか、昨今巷を賑わすブラックバイトではございません。 わたくしという闇属性の人間が選…

市川珠輝
8年前
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やっとマガジンの意味がわかりのすけ! 分けてみた。数が増えるといいね。

市川珠輝
8年前

手を繋ぐ

例えばこの、今、僕の肺を満たしてくれている空気。 明け方の空を見ながら歩く冬の空気はすごく冷たくて、呼吸が止まってしまいそうになるね。 本当はね、僕は寒いのは嫌…

市川珠輝
8年前
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距離

冷蔵庫から取りだしたペットボトルの烏龍茶は、きんと冷えていた。 こんなに寒い季節だというのに、更に氷まで入れて飲む。 それがともえの飲み方だった。 「……お茶」…

市川珠輝
8年前
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月夜想

 第一章 新月とチョコレート  足首ほどまでの浅い水路に沿った小道が、僕は好きだった。春には均等に植えられた桜を見上げながら、人々がパレードのようにここを歩いた…

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市川珠輝
8年前
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noteの使いかた。

2016年にも入ったというのに、未だnoteは見るだけという悲しい感じ。 短編小説でもアップして、あわよくば販売してみようかなだとともくろむも、どうなんだろう。同人誌で…

市川珠輝
8年前
「少女文学 第二号」に参加します&本文サンプル

「少女文学 第二号」に参加します&本文サンプル

第一号のときから、大好きで、何度も読んだ“少女小説”をテーマにした豪華なアンソロジー「少女文学」。その二号に参加させていただきました!

二号は「ファンタジー」特集。

執筆陣の本気具合はぜひ上記の紅玉いづき様のnoteにてご確認ください。本気すぎる。今でもここに自分がいることが夢なのでは…? と思っちゃうほどです。

私は「霧の大地の物語」というお話を書いております。素敵な扉絵はすみす様にお願い

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悶絶★バイトヘル #2 円環の理に連れ去られるバス乗降調査

ところで皆様におかれましては、怪しい短期バイトに携わられたことはおありでしょうか。

わたくしは、あります。
大有りでございます。
今から約二十年ほど前の関西で、朝から晩まで約12時間ほど働いての一万円五千円は、なかなかに実入りのよいものでありました。

二日間限定のそれは、路線バスの乗降調査です。

バスの乗り口と降り口に一人ずつ立ち、乗客小さな紙を渡して、降りるときに回収するという地味な作業で

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ショーン・タンの世界展

ショーン・タンの世界展

どおおしても行きたくて仕方無かった『ショーン・タンの世界』展。

いわさきちひろ美術館まで行ってきました。
うちからかなり遠い場所だけど、行って良かった。ほんとそう思える時間を体感できましたわ。

絵本の原画展というから、そんなにめちゃくちゃ大きい絵はないんだろうな…と思ってたら、びっくり。
畳1畳ぶんはあるだろう巨大な油絵が待ち構えてました。

シリーズで描かれているなかの『蝶』という絵が好きで

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思い出したの。

思い出したの。

長らくパスワードがわからず放置しちゃってたnote。
ふと思い出したので更新してみたよ。
どうでもいーことばかりの毎日なので、そのへん書いていこう。ライフハックとかなくてすまん。

悶絶★バイトヘル #1 秋の日に長靴を置いて。

わたくしは、闇属性のアルバイトが多い人生でした。

これは違法スレスーレであるとか、昨今巷を賑わすブラックバイトではございません。

わたくしという闇属性の人間が選び開いてしまった、様々なバイトの煉獄の門を笑い話にしたく、筆を執りました。

あれはいつの頃だったでしょうか。

わたくしの住む辺鄙な町にしては、時給がちょっと良いバイトでございました。

お仕事内容は、食品の包装。長靴だけ持ってきてく

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やっとマガジンの意味がわかりのすけ! 分けてみた。数が増えるといいね。

手を繋ぐ

例えばこの、今、僕の肺を満たしてくれている空気。

明け方の空を見ながら歩く冬の空気はすごく冷たくて、呼吸が止まってしまいそうになるね。

本当はね、僕は寒いのは嫌いなんだよ。

冬は嫌いだ。

笑われるだろうか、僕はかなりの冷え性なんだ。

真冬のフローリングを裸足で歩ける君のことは、まるで違う星の生物みたいに思えるほどにね。

そんな僕がどうしてこんなに寒い明け方の道を歩いているのか。

初詣

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距離

冷蔵庫から取りだしたペットボトルの烏龍茶は、きんと冷えていた。

こんなに寒い季節だというのに、更に氷まで入れて飲む。

それがともえの飲み方だった。

「……お茶」

冷たいガラスのコップをこたつの上に置き、ため息をついた俺を見て、ともえはかすかに笑った。

ため息の理由、わかってるの? と聞きかけて、やっぱりやめた。

それはどうしようもないことだから。

俺が考えていたことは、ともえとの距離

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月夜想

 第一章 新月とチョコレート

 足首ほどまでの浅い水路に沿った小道が、僕は好きだった。春には均等に植えられた桜を見上げながら、人々がパレードのようにここを歩いた。

遠くに並ぶ山々が紅く色付く季節も良い。冬は小さな雪が水面にふわりと消えてゆく。

 夏だけはさすがに暑さが厳しかったが、水路を吹き抜ける風で少しばかり涼むことができる。そして僕はこの小道の夏の夜が一番好きだった。

 けれど、僕はす

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noteの使いかた。

2016年にも入ったというのに、未だnoteは見るだけという悲しい感じ。

短編小説でもアップして、あわよくば販売してみようかなだとともくろむも、どうなんだろう。同人誌でしか販売したことがないけど、過去の文章をアップしてみようか迷い中。

その前に何も宣伝していないというあたりがもう。もっとちゃっちゃか商売せねばならぬ。