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市川珠輝
2016年2月12日 03:08
例えばこの、今、僕の肺を満たしてくれている空気。明け方の空を見ながら歩く冬の空気はすごく冷たくて、呼吸が止まってしまいそうになるね。本当はね、僕は寒いのは嫌いなんだよ。冬は嫌いだ。笑われるだろうか、僕はかなりの冷え性なんだ。真冬のフローリングを裸足で歩ける君のことは、まるで違う星の生物みたいに思えるほどにね。そんな僕がどうしてこんなに寒い明け方の道を歩いているのか。初詣
2016年2月5日 11:54
冷蔵庫から取りだしたペットボトルの烏龍茶は、きんと冷えていた。こんなに寒い季節だというのに、更に氷まで入れて飲む。それがともえの飲み方だった。「……お茶」冷たいガラスのコップをこたつの上に置き、ため息をついた俺を見て、ともえはかすかに笑った。ため息の理由、わかってるの? と聞きかけて、やっぱりやめた。それはどうしようもないことだから。俺が考えていたことは、ともえとの距離