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『キョコロヒー』が面白い。齊藤京子の個性とヒコロヒーの実力

『キョコロヒー』が面白い。日向坂46の齊藤京子と、ピン芸人ヒコロヒーの深夜バラエティ番組。バラバラ大作戦というテレ朝深夜の枠の中で始まったこの番組は、バラバラ総選挙というファン投票企画で1位を取り、この10月から12時台へと「昇格」を果たした。 この番組の魅力はなんだろうか。ヒコロヒーは元彼(本人曰く"グレーな関係")から「あの番組はアイドルの子が面白いだけ。お前(ヒコロヒー)はそれをアシストしているだけ」と言われ、ブチギレて破局したとのことだが、個人的には「そのアシストが

    • 「君たちはどう生きるか」の感想

      「君たちはどう生きるか」を観てきた。スタジオジブリの最新作。宮崎駿が引退を撤回して作り上げた作品。公開からめちゃくちゃ時間が経ってしまい、ずっと観に行こうかどうしようか悩んでいたが、まだギリギリ映画を上映していたので観に行った。以下ネタバレあり。 ☆☆☆ まるで夢のようだった。まあ夢というのは文字通り寝ているときに見る夢のほうなのだが。塔の中に入り込んでからはまさに夢で見ているような世界だった。目的もルールも説明されないまま、あちらの世界の住人が、あちらの世界の理にのっと

      • 2023年買ってよかったもの

        2023年もたくさんお買い物をしました。せっかくなので買ってよかったものをまとめておきたい。 ・クリスマスツリー嫁と完全に意見が一致した、我が家の買ってよかったもの1位はこのクリスマスツリー。もともと数年前から「大きいクリスマスツリーが欲しい」と言っていた嫁だったが、今年ついに購入を決意した。せっかくだからと180cmのサイズにしたのだが、これが大正解。クリスマスを迎えるにあたって部屋の雰囲気を一変させてくれ、我が家で開かれたクリスマスパーティーも大成功に終わった。クリスマ

        • 「グランド・ブダペスト・ホテル」の感想

          「ダージリン急行」のウェス・アンダーソン監督の作品。「ダージリン急行」が好きで気になっていたところ、アマゾンプライムで配信されていたので観ることができた。以下ネタバレっちゃネタバレあり。 ☆☆☆ その日は特にやることもなかったので、嫁と一緒になにか映画を観ようということになった。そういえばこの「グランド・ブタペスト・ホテル」が無料配信になっていたことを思い出し、なんとなしに再生ボタンを開始した。 すると開始5分で一気に惹き込まれた。惹き込まれたのはぼくだけじゃなく、隣で

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          珈琲の装備が整った

          もしも珈琲が冒険であるのなら、珈琲関連のグッズは「装備」であると言える。この時点で珈琲を冒険と思えない人は、今すぐこの画面を閉じて、スマホの電源を落とし、なんならスマホを解約して、コーラを飲めばいいと思う。 というわけで、珈琲を豆から挽いて飲むための装備が整ったので、まとめてみる。ちなみに味に関しての感想は「美味しい」以外よくわからないので書かない。コクとか苦味とかの感想が知りたい人はもっと専門的な人の記事を読むか、諦めてコーラを飲めばいいと思う。 ☆☆☆ ・コーヒーミ

          珈琲の装備が整った

          「花束みたいな恋をした」の感想

          「カルテット」や「大豆田とわ子と三人の元夫」の坂元裕二が脚本した映画。上記のドラマが大好きだったので、ずっと気になっていた映画をついに観ることができた。以下ネタバレあり。 ☆☆☆ たまたま出会った二人が「押井守を知っていた」ことをきっかけに仲を深める。二人は小説の趣味も合うし、映画の半券を栞にするし、天竺鼠のライブにも行こうとしていた。女の子は「今度ミイラ展に行きたい」し、男の子は「最近ガスタンクにハマって」いる。 言ってしまえば典型的なサブカル系。こんな時代、自分にも

          「花束みたいな恋をした」の感想

          M-1グランプリ2023の感想 〜ツカミが一番ウケちゃだめ〜

          ツカミが一番ウケる漫才ではだめ 今回敗者復活から決勝に上がってきたコンビ、シシガシラに対して松本人志はこうコメントした。 「ツカミは面白かったんですけどね〜」 もちろん漫才においてツカミは重要だ。一秒でも早くお客さんの心を掴むことが、その後のネタの受け具合を変える効果があるとぼくは思う。しかし一方で、ネタの中で一番面白いのがツカミだとそれはバッド。漫才は後半につれて勢いを増すことが良いとされており、ネタの中でツカミを超えるボケがないのであれば、漫才の印象としては尻すぼみに

          M-1グランプリ2023の感想 〜ツカミが一番ウケちゃだめ〜

          細麺か太麺かに確固たるこだわりなんか無いんだよ

          ラーメンを食べに行った。ぼくの奥さんは現在絶賛歯列矯正の真っ最中であり、奥さんと一緒にいるときはラーメンを食べに行けないということで、一人になった日はここぞとばかりにラーメンが食べたくなる。 ぼくには、味は大変気に入っているのだが、味以外があんまり気に入っていないラーメン屋がある。まず駐車場が狭い。店の前にギリギリ1台停められるかどうかであり、さらには舗装がガタガタである。そしてあんまり人がいない。店が空いているというのは本来良いポイントでもあるのだが、あまりに人が少ない。

          細麺か太麺かに確固たるこだわりなんか無いんだよ

          「葬送のフリーレン」の主人公は誰か

          ティティ 「葬送のフリーレン」読みました? 会田 読んだよ。11巻までね(11月10日時点の最新刊) ティティ なんか変な話ですよね。 会田 そうね。空気感は「キノの旅」を思い出すね。 ティティ ああ、色々な国に行く感じですよね。確かに。 会田 ただ、「フリーレン」が面白いのは「目的」があることと、そしてなにより「勇者ヒンメルたちとの一回目の冒険」という「過去」があることだよね。 ティティ 確かに。 会田 そしてさ、フリーレンはその過去の"意味"

          「葬送のフリーレン」の主人公は誰か

          THE FIRST SLAM DUNKの感想(ネタバレあり)

          観てきました。年末の12月30日のレイトショー。ガラガラかと思ったら、めちゃくちゃ人いました。以下ネタバレあり。 主人公 上映開始の時間になり、劇場の入り口でチケットを見せると、映画館のお兄さんが入場特典をくれた。それは宮城リョータのイラストが書かれたカードだった。これをもらったときに「湘北の5人の中からランダムで1人もらえるのかー」と思っていたくらい、ぼくは情報をシャットアウトしていた。しかしながら映画が始まって数分でぼくは思い知った。これは宮城リョータの物語だった。

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          M-1グランプリ2022の感想〜8分のネタができた幸運〜

          今年のM-1も面白かった。感想をつらつらと書いていく。 決勝の人選 そもそも決勝進出者を見て思ったこと。それは「ボケが強い漫才が勝ち始めている」ということだ。かつては「手数論」なる言葉が生まれた通り、M-1という"競技"を勝つためには、ボケの"手数"が最も重要視されていた。ボケ一つ一つの強さよりも、一つのネタにいくつボケを入れ込めたか。それにより、4分という枠の中で「笑いの数」が「笑いの量」を担保し、高得点につながっていた。 しかしながら、今回残ったのは「手数」とは別の

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          「六人の嘘つきな大学生」の感想

          本屋大賞にノミネートされたことで話題になっていたこの作品。テレビであらすじが紹介されたときから気になっていて、あまり単行本の小説は買ったことがないのだけど、我慢できずに購入。読み始めたら序盤からトップスピードで面白く、一晩で最後のページまで読み切ってしまった。感想を書きます。ネタバレ注意。 「六人の嘘つきな大学生」は、就職活動の中で、ある企業の最終面接に残った六人の学生の話である。「6人の中から1人を採用する」というルールの最終面接を課せられた大学生たちが、話し合いでその1

          「六人の嘘つきな大学生」の感想

          天才・藤井聡太の前に座った男の物語

          将棋の藤井聡太四冠のドキュメンタリーを観た。 タイトルに「藤井聡太」とあるが、内容は豊島九段との竜王戦にフォーカスした内容であり、「藤井聡太」の話というよりは「藤井と豊島」であり、もっと言えば「藤井を前にした豊島」って感じで、なんならこのドキュメンタリーの主人公は豊島九段だった。 やはり藤井聡太は天才のようだ。トップ棋士が100人いたら100人指さないような手を竜王戦の土壇場で繰り出し、「最も自然な手ではないですが、選択肢には入る手だとは思います」と飄々と答える藤井聡太。

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          THE W2021の感想 〜大会最大の発見は天才ピアニストの竹内さん〜

          THE W2021が終わった。決勝は3-2-2の超接戦でオダウエダに決まった。大会全体として序盤なかなか爆発がない中で、実力者がしっかりと結果を出し、最終決戦の3組は本当に良い三つ巴となった。 四番打者が先頭打者になってしまったヨネダ2000 この日、大会にとっても本人たちにとっても最大の不幸になってしまったのは、A組トップがヨネダ2000になってしまったことだった。M-1グランプリの予選動画が配信されたタイミングで、お笑いファンの間で話題となっていた彼女たち。この日も話

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          3月のライオン15巻の感想 〜弱さを担う脇役、野火止あづさ〜

          3月のライオンの最新16巻が発売された。その16巻を読む前に、「あれ、15巻ってどういう話だったっけ?」と話が思い出せなかったので15巻を読んだら、その15巻が面白すぎたので感想を書く。 この巻の野火止あづさが凄い好きだ。凄い好きとは言ったが、このキャラはこの巻で初めて登場するキャラクターで、そしておそらくこの後はそんなに出てこなくなるだろう、いわゆる脇役中の脇役なのだが、このキャラクターがとてもいい味を出していて、とても素敵だった。 3月のライオンは、1人の天才将棋少年

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          イニシャルトークにおける"あ行"の守備力の低さについて

          今日、テレビを観ていたら「このコメントをしている"I"さんは誰でしょう」というクイズが出題されていた。ぼくもなんとなしに「だれだろう? い…い…」と考えてみたのだが、ここでとんでもないことに気づいてしまった。「"あ行"の人ってイニシャルトーク不利じゃない?」ということだ。 例えば「Mさん」であれば「まみむめも」の中のどれかということで、ある程度選択肢をぼやかすことができるが、今回のように「Iさん」となると自ずと一文字目が「い」に限定されてしまう。これは5文字のガードがある「

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