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七屋 糸
2021年11月18日 10:37
朝起きると、ベッドサイドに見覚えのある箱があった。 サンタクロースかな、と考えて自分の歳を思い出す。29歳の私の靴下にさえプレゼントが放り込まれるなら、サンタさんもいよいよ2、3年以内に破産することだろう。 手触りの良い黒いベルベット張りの小さな箱をそっと手に取る。振ったり揺すったりなどしなくてもわかる。中身は光り物だ。しかも、おそらく誰かさんの給料三ヶ月分の。 私はベッドから起きだ
2019年12月26日 16:27
クリスマスをテーマにした短編小説です。2〜3分程度で読めます。以下本編です。✳︎ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー朝起きると、ベッドサイドに見覚えのある箱が置かれていた。サンタクロースかな、と考えて自分の歳を思い出す。私は29歳。サンタさんはとっくに卒業したはずだ。黒いベルベット張りで重厚感のある小箱。光り物が入っているかは明らかだった。私はベッドから起きだし、軽く体