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ソーダ集

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君と僕は飛ぼう。街が遠く見える。誰も来ない処まで。
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 恋は物理じゃない Love is not a physics

 今日あの子を電車で視かけた。

 彼女は美しくて、頭がぼんやりしてしまう。

 水を張ったような透明な肌に、綺麗な鋭い眼。

 少し反抗的な、折った脚。まっすぐな髪。ピンバッジのついたバッグ。僕とは違う。

 どこで降りるんだろう。

 パワフルでイノセントな君。

 僕は規則的な生活が好きだ。

 朝5時に起きて青い光の中で、一杯の水を飲む。そうして、コーヒー豆を正確に20粒ミルで挽いて淹れて

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We're in December

We're in December

 いつの間にか、夏は雪になる。

 金木犀が地面に落ちて、綺麗なオレンジのカーペットを創ると、雲が落ちてくる。

 霜が地表を覆い、樹々は眠りについて、星が冴えてくる。

 それは小さくて、ぎゅっと結晶した、神様の祈りだ。

 そして、私達は、

 この季節を迎えるんだ。

「佳生、この窓にキャンディーを入れるの?」

「そうだよ、南弦」佳生は水色の透明なキャンディーを綺麗な指で持ちながら、微笑ん

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星ホテル

星ホテル

おはようございます! みなさん!!
今日は晴れ、明日は晴れ、明後日も晴れでしょう!

好きなひとに告白したいと思っているひとは、要注意。夏が来た喜びで、そのひとを忘れてしまうかもしれません

クリエイティヴ欲が高まるでしょう。書く事に集中できます。

ラッキーアイテムはコルクやコーディアルグラスなどを求め、箱の中に海を配置する事

ピンクや薄いブルーのノンアルコールカクテルをのむと、不思議な夢がみ

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Alice

あの子達はどうしたの?

マーチ・ヘアと眠りねずみかい?いってしまったよ。何処かへ。僕がもう狂ってないから。

狂っていないの?

ああ。充分にはね。

あの子達がいないと寂しいわ。

うん。ぽっかり空いたみたいだ。ポットの底の穴みたいに。

だから今日もお茶は空なのね。

君には悪いことしたね。お茶をサーブしないなんて。あの時、僕は狂っていたんだ。淹れたと思ってた。

狂ってるあなた、楽しかった

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Please, Airplane

Please, Airplane

これあげる

そう言って、差し出された円柱形の箱には、クラシカルな女性が描かれていた。

私は、彼をみた。彼は色白で、星の様な眼をしていた。彼がくれた小箱に入っている、菫の砂糖づけに似た、秘密めいた瞳だった。

「……ありがと。いっしょにたべよう」

私は言い、ブランコに坐った。

夏休みになって、荷物をまとめて部屋に置いて、この公園に来た。
彼は少しおいて、となりに坐った。彼はぽっちゃりしてい

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Summer

Summer

 夏の良く晴れた日ほど気持ちよいものは無い。

 私は近々都市化されようとしている新しい駅まで歩いた。

 道の両端には畑があり、空はひらけていて、向日葵がそっぽを向いて、大きな頭を垂れている。

 私は心の中で焦がれる対象を探しながら、静かな足のりで歩いた。

 おととい短く切った髪を手のひらで撫ぜて、遠くなってゆく雲を眺めた。

 夏だ。夏が本格的に始まった。薄い灰の憂鬱な雲を連れて、五月雨は

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The boy worn crown of thorns

 花冠をつけた女の子が、白いばらの下に睡っていて、

 男の子は荊棘の冠をかぶり、歩いていた。

 女の子は睡りから覚めると、眼を開き、ぱちぱちと音を立てるように、瞬きをした
 男の子は顔を上げ、女の子に眼をとめた。

 こんにちは、と、男の子は言った。何をしているの?

 トリの声を聴いているの。
 

 鳥の声?

 うん。それを聴くと、眼が覚めるの

 眼が覚めた

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Silent slow blue

きみと温かいコーヒーを口に含んでいると、しあわせな気分。

外は寒くて、グラスは蜂蜜みたいに透明で甘い液体に充たされているから、それはくっきりと透けるブルーだから、きみの指で飾って、額縁に入れたい。きみは抜け出しちゃうだろうけど。

きみは冷たい笑い方をするのに、とても温かい腕を持ってる。きみの眼は湖で、きみは僕を溺れさせない。

そっと見守ってくれた時、恋に落ちた。

きみは驚くほど深くまで潜れ

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Naked Soul

Naked Soul



彼の優しさは、今までにあじわったことの無いものだった。

私達は、少しだけ広いベランダに、リヴィングからイスをひとつずつ移して、夜明けを過ごした。


羊は、不安定な朝焼けの光を受けて、眼を伏せていた。
眩しい白い光は、私の睫毛を七色に透かして、羊の顔にくっきりとした美しい陰影を創った。

まるで名も知らない広大な砂漠にできる不思議な模様の様な陰影だった。


確かに眩しかったけれ

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be m' girl

君は僕のガール。

僕のものになってよ。

もの、っていっても、ひとだけどさ。

だから、僕を突き放したり、嫌いになってもいいんだ。ちょっとならね。

最後に、その子猫みたいな眼で笑ってくれたらいい。

波を後ろに感じさせる、滑らかな髪と、綺麗な肌。

美しい眼と、唇。

甘い吐息と、少し低い声。

君に夢中なんだ。

君と歩いた時、君は僕のものじゃなかったけど

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Born in July

 彼は夏のこどもだった。

 7月の、雨が止み緑の色の濃くなる、美しい時期に生まれた。
 その光の明度は彼の肌を、深い色に染めた。

 バスに乗っている時、人々のざわめきと、車内の明るさに、夏の気配を感じた。

 そういえば今朝、階段を上っている時も、夏の家の中の匂いがしたことを想い出した。

 夏がどんどん近づいていって、やがて全ては、夏になる。

 バス停で降りると、私は汗を拭い、彼の

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small thing, this world



僕と君との、小さな世界。それは、冬の世界だ。

小さな星がまたたいて、息が白くなって、君がそっと微笑む。僕たちは抱き合う。そんな、雪国みたいな、安らかな世界。何処かでホッキョクグマが抱き合って眠っているだろう。そんな世界。

ドアの外で起こった痛み。を全部忘れて、ふたりで身を寄せ合って眠る。蜂蜜みたいに密な眠りが、僕たちに訪れる。

明日のことなんてわからない。悲しいことが起きるかも。

けれ

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浴室の人魚

ノヴァーリスに憧れる私は、グラスの中に魚を飼い、身体の中に自分を閉じ込める。
密やかに。夜が明けてゆくのを視ている。しんとした青い浴室の中で、私は1度死に、また白い日射しによって、再生する。

男の子は遠くへ行き、私には話す人もいない。

電話は静かだ。

本はへやを、私の空白を食べている。欠ける月の様に。それでも私の空白は膨張してゆき、私の頭は狂う。

浴室に溶ける人魚の尾は、彼の脚をも溶かして

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モミの枝とスープとロウソク Branch of fir tree, soup and candles

あなたは絵本なのかにいる男の子のように、赤と白のいましまのふわふわの大きな玉のついた帽子を被っていて、黒いかっこういい形のコートに、可愛い黒のブーツをはいて、白のモヘアのニットをきている。

私と手をつないでいる、その手は温かで、
クリスマスに教会へ行った帰り、私たちはキスをした。

明るく、透明な星々は楽しく、すこし淋しく、うたっていた。

そのまたたきは、青白くも、赤くも見える。

神様が創っ

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