【napo_fitness】トレーニング総論③ 超回復はウソ?!ジムに行ってもマシンは使うな?!筋トレに関する新常識!

前回は、「細かいことを気にしすぎるよりも、まずはジムへ行くことのほうが大事!」というお話をしました。ネットで情報を集めたり、トレーニング理論を考えているだけでは筋肉はつきません。

とはいえ、せっかく筋トレするなら知識をつけて効率よく行いたいと思いますよね。今回は【効率的に筋肥大するためのコツ】をいくつか紹介しようと思います。


●超回復はウソ?!筋肥大の仕組み、101理論

「超回復」という理論をご存知でしょうか。
筋トレをすると、筋繊維が傷つき、筋肉痛を引き起こします。このとき、元々100だった筋肉が80くらいまで弱ってしまいます。80まで傷ついた筋肉が回復するとき、100ではなく101まで回復する…というのが超回復理論であり、筋肥大は超回復によってなされると長らく信じられてきました。
しかし最近になって、筋トレによって筋繊維が物理的に傷つくことはない、つまり超回復理論は間違っていることがわかりました。

現時点では、筋肥大とは「ストレス応答」によるものだとされています。
どういうことかというと、野球の素振りや靴ずれでできる「マメ」を想像してみてください。まず、何らかの外的ストレスによって身体が傷つきます。その傷に対して身体はカサブタを作って保護しようとします。カサブタが剥がれたとき、身体は元の状態よりもストレスに対して強くなっています。
これがストレス応答です。

つまり、100のストレスに耐えられる身体に対して、101の刺激だけを与えてあげればいいということになります。これが山本義徳先生が提唱する「101理論」です。



●飽きない、停滞しないセットの組み方


この101理論と、身体の恒常性、トレーニング総論①で紹介した過負荷の原則や漸進性の原則を駆使しながらトレーニングのボリュームを決めていきます。
何やらいろいろ考えることがあって複雑ですが…つまり、「自分に対してストレスとなる刺激」というのがポイントとなります。
具体的にストレスとなる要素は、種目、重量、回数、スピード等。これらを変化させて「今までの自分が耐えられない」と思えるようなトレーニングをする必要があるということです。


 [中重量中回数]10回3セット


一番ベーシックなのがこの組み方です。
扱う重量、筋肉への負担のバランスがいいため、初心者から上級者まで好まれている手法です。8-12回でセットを組むのが筋肥大効果が一番高いという研究結果もあります。

初心者におすすめなのが、次の方法です。まず、1セット目にぎりぎり10回できる重量設定にします。重量を下げずに3セット行いますが、2セット目はなんとか10回できても、3セット目は10回できないかもしれません。できなくても、来週同じ重量に挑戦します。もし3セットできてしまった場合、来週から重量を一段上げて同じ種目を行ってみましょう。
これをやり込んでいくことによって、毎週のように扱う重量が増えていくことが実感できるはずです。


 [高重量低回数]5回5セット

フォームが安定し、関節の負担が少なくなってきた人が、扱う重量を増やしたいときに有効です。
初心者のうちは10回3セットで重量が伸びていても、必ずどこかで停滞が起こります。その際に[高重量低回数]や[低重量高回数]で新しい刺激を狙っていきましょう。
「特異性の原則」の通り、高重量を求める場合は高重量でのトレーニングをすることが手っ取り早いです。
アスリートやパワーリフター向けに、もっと高重量で低回数を扱う5/3/1法なども存在しますが、それはまた別の機会に解説します。


 [低重量高回数]20回3セット

普通の刺激に慣れてきたとき、フォームを固めたいときに有効です。
高回数を行うことによって、対象部分の血流が増え、パンプが起こります。高重量でのトレーニングが筋肉への「物理的刺激」だとすると、パンプは「化学的刺激」だといえます。
また、普段やらないような種目をいきなり高重量で行うと怪我の危険性もあるため、低重量で練習してからメニューに組み込む、ということもよく行われます。



●ネガティブトレーニングとポジティブトレーニング


筋肉には、「筋肉を収縮させる」ときよりも「筋肉が伸ばされる」ときのほうが1.3倍程度出力が向上するという性質があります。筋肉を収縮させるときのことを「ポジティブ動作」、筋肉が伸ばされるときのことを「ネガティブ動作」といいます。
つまり、ベンチプレスを100kgしか挙げられない人でも、130kgくらいまでなら降ろすことができるということになります。
よく「山登りは上りより下りのほうがきつい」といいますが、実際は下りのほうが強い力を出せているため、そう感じるのは「単純に疲れている」だけなのです。

また、ネガティブ動作のみを行ったネガティブトレーニングは、ポジティブ動作のみを行ったポジティブトレーニングよりも筋肥大効果が高いという研究結果があります。
近年は反論する論文も出てきていますが、結果を残しているボディビルダーはほぼ例外なくネガティブ動作を重視しています。ダンベルを勢いよくがたんと落とすトレーニーはマナーが悪いだけでなく、筋肉も成長しないということです。

なお、ネガティブトレーニングは負担が強い分、回復に時間がかかるという研究結果もあります。身体と相談しながら、上手に組み合わせてトレーニングメニューを組みましょう。



●マシンは使うな?!フリーウエイトのメリット

ジムに行くと、せっかくきたのだからいろんなマシンを触ってみようとなりますよね。筆者も新しいマシンを使うときはわくわくします。
マシンを使ったトレーニングと、ダンベルやバーベルなどのフリーウエイトを使ったトレーニングではどのような違いがあるのでしょうか。

まず、フリーウエイトのメリットです。
フリーウエイトだとある程度ダンベルやバーベルを自由に動かすことができ、動作の軌道が定まっていません。動作が定まっていないということは、自分の筋肉を使ってウエイトを支える必要があります。ウエイトを支えているだけで筋肉が動員されているため、一度に動員される筋肉がマシントレーニングよりも多くなる、つまりより多くの筋肉を一度に鍛えることができるのです。
ちなみに、一度に動員される筋肉のことを「モーターユニット」といいます。

次に、マシントレーニングのデメリットです。
ほとんどのトレーニングマシンは重りをケーブルで吊り上げているため、重りを持ち上げる際に摩擦によって刺激が強くなり、降ろす際に摩擦によって刺激が弱くなります。
前述のように、人間はネガティブ動作のほうが筋出力が強いという性質がありますが、マシントレーニングではネガティブ動作のときの刺激が弱くなってしまいます。

以上2つの理由により、マシントレーニングよりもフリーウエイトを優先すべきだと考えられます。



●大きい筋肉から鍛えろ!

筋トレしていない人が筋トレしている人の身体を触るとき、80%くらいの確率で二の腕を触ります(経験則)。半袖シャツから見える逞しい腕は男らしさの象徴であり、筋トレするのであれば腕は鍛えておきたいものです。
一方で、全身の筋肉の約7割が下半身に集まっていると言われています。常に全体重を支えているので、当然上半身よりも多くの筋肉が必要であることは想像に難くありません。

下半身の筋肉群を仮に70とすると、上腕二頭筋はせいぜい2くらいといったところでしょうか。必死にダンベルカールをして力こぶを作ったとしても、2が5になったり10になったりすることは難しいでしょう。しかし、下半身を鍛えて70を75にすることなら頑張ればできそうです。

何が言いたいかというと、元々が大きい筋肉を鍛えたほうが、全身の筋肉量増加の観点からすると効率がいいということです。メディアは何故かこぞってインナーマッスルの大事さを説いていますが、アウターマッスルを鍛えたほうがダイエットは捗るということになります。

あくまで主観ですが、ざっくり優先度でいうと次のようになります。
大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋(下半身)>脊柱起立筋群(背中)>三角筋(肩)>大胸筋(胸)>広背筋、僧帽筋(背中)>腹筋群(腹)>下腿三頭筋(ふくらはぎ)>上腕二頭筋、上腕三頭筋(腕)

ここで問題になるのが、下半身のトレーニングは精神的に辛い上に、外見に表れづらいということです、、、笑
特に男性は、下半身なんて無視して逆三角形の身体がほしいところでしょう。実際に逆三角形体型が異性から好感を得られやすいといったデータもあります。逆三角形を手に入れるためには上半身のトレーニングが大事ですが、絞りを楽にするには下半身のトレーニングも大事、つまりどちらも必要なのです。
逆に女性はほぼ下半身中心のトレーニングで十分でしょう。ホルモンの関係で、女性が筋トレによって脚が太くなる心配はほぼありません(そもそも筋トレしすぎてめっちゃ脚が太い女性を見たことがありますか?)

実際のトレーニング配分は、次回の記事にて説明します。


●終わりに

今回は、効率よく筋肥大ができるようになるためのショートトピックをいくつか紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
科学的、統計的、経験的にショートカットできる道があるなら積極的に使っていきましょう。

次回は【トレーニング分割法】についてお話します。


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