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【第1弾】脳科学で証明されているLOVE理論で「やりたいこと」を見つける方法

私は経営コンサルタントの新米秘書です。 社長の側にいて学んだことを備忘録として発信していきます!

今回のテーマは「やりたいこと」の見つけ方です。
誰もが一度はこのテーマについて悩んだことがあるのではないでしょうか。それでもなかなか解が見つからず、悶々と迷走している方が大勢いらっしゃると思います。私の周りを見渡してみても、「やりたいこと」が明確に見つかって行動に移せている人の方が圧倒的に少ないように思います。

実際はどれくらいの人たちが「やりたいこと」を見つけられているのでしょうか。参考になる指標として「エンゲージメント」があります。

米調査会社Gallupの2023年に実施した調査で、日本は熱意あふれる(従業員エンゲージメントの強い)社員の割合は5%で、調査対象145カ国中最下位という結果が出た。

2023年版 ギャラップ職場の従業員意識調査:日本の職場の現状

「やりたいことができている状態」を、例えば「従業員エンゲージメントが高い状態」と同義だとすると、その割合はたったの5%ということになります。つまり、95%の人たちは「やりたいこと」が見つけられていない可能性があります。

弊社社長はこの調査結果に対して、
「従業員エンゲージメントが低い日本人をなんとか救いたい。そして、この調査結果を塗り替えたい。」
といつも言っています。日本のこの危機的な現実を変え、生き生きと働く人で溢れる国にするのが、弊社のパーパスであり願いです。

「従業員エンゲージメントが低い」、「やりたいことが見つからない」という現状(世界最下位)の背景には何があるのでしょうか?その原因は脳科学が既に明らかにしてくれています。それは、多くの日本人は「自分の大切な感情(自分のLOVE)に向き合えていない」ということなのです。

これから全3回に渡って書いていく『やりたいことの見つけ方』シリーズでは、やりたいことが見つからない原因について詳しく解説し、脳科学の観点から実践的な解決策をお伝えしていきます。

【今回の記事(シリーズ第一弾)で伝えたいこと】

  • 日本人の従業員エンゲージメントは世界145カ国中で最下位

  • エンゲージしている5%の人は「ライスワーク」でなく、「ライフワーク」をしている

  • 「他者のため」や「社会のため」に働く方が「自分のお金や出世のため」に働くよりも幸福度が高い

  • 自分の「好き(LOVE)」という感情に蓋をし、正解主義のまま働き続けると組織の老害になる


従業員エンゲージメントが低いとはどういうことか?

従業員エンゲージメントが世界で最下位だと何が問題なのでしょうか?

そもそも、「従業員エンゲージメント」とは従業員と会社の結びつきの強さのことを言います。エンゲージ(メント)リング(婚約指輪)が男女カップルの強い結びつきの証であるのと同様の意味です。人材版伊藤レポートでは従業員エンゲージメントの効果について以下のように説明しています。

  • 企業の成長や発展の原動力となる

  • 従業員が企業の使命や価値観を理解・共感し、自らの職務に没頭する

  • 従業員が担当職務の重要性や、社会に対して直接的・間接的にどのような意味を持つかを認識している

  • 従業員が企業に必要とされ、大切にされているという実感や、企業に貢献したいという意欲を持てている

このように企業と従業員の双方にとって、大きな効果がある従業員エンゲージメントですが、仮にそれが低いとどうなるのでしょうか?従業員エンゲージメントの低さが原因で生産性の低下や離職率の悪化につながり、企業が衰退する可能性が高まります。

従業員エンゲージメントが低いということは、従業員自身が会社との結びつきを感じられずに(そもそも密に結びつきたいとも思わずに)働いていることになります。働く時間は人生の3分の1もの時間になります。睡眠時間を除くと、活動している時間のほとんどを費やす仕事の時間が幸福な時間でないならば、私たちは満足して自分の人生を終えることが難しいのではないでしょうか。
従業員エンゲージメントが低い日本人は働くことを人生の中でどう捉え、働くことによって何を得ようとしているのでしょうか?

日本はなぜ、従業員エンゲージメントが低いのか?

従来は美徳とされていた長時間労働等の昭和型ワークスタイルは、働き方改革の名の下に見直しが進み、日本企業の働きやすさは大幅に改善されています。人気テレビドラマ、『不適切にもほどがある!』では昭和型と令和型のワークスタイルが対比的に描かれており、40年弱で世の中の常識が大きく変化したことを実感させられました。

では、働き方改革によって私たちは幸せになったのでしょうか?実は、先ほどの従業員エンゲージメントの結果は年々悪化しているのです。「働きやすさ」は改善されたものの、それが「働きがい」に直結するという結果にはなっていないようです。従業員エンゲージメントも年々悪化を続け、現在は世界最下位というところまできてしまいました。

日本人にとっての仕事観=物質的な利益を得る手段=ライスワーク

仕事を選ぶとき、多くの人が世の中にある無数の仕事の中から自分にぴったりな仕事を探そうとします。多くの人にとって、仕事選びの判断基準は物質的な利益を最大化できるかどうかです。

皆さんは就活や転職活動の際に、どのような基準で会社や仕事を選んでいますか?日本では、仕事選びにおいて給与や福利厚生、会社の知名度や規模といった理性的な要素ばかりが重視されがちです。

株式会社アイデム2020年度の転職に関するアンケート調査によると「あなたにとって仕事とは何か」という問いに対して「生計を支えるもの」と回答した人が93.4%でした。お金を稼ぐという目的のために働く仕事のことを「ライスワーク」といいます。先ほどのエンゲージメント調査ではエンゲージされていない人が95%でしたので、仕事をライスワークだと捉えている人の割合と近しいことが分かります。

エンゲージしていない人(95%)≒お金のために働く人(93.4%)
※お金のために働く人=ライスワーカー

株式会社アイデムの2020年転職に関するアンケート調査

お金を稼ぐことが大切であるという考えを否定したいのではありません。大事なことはお金を稼ぐことは、働いた「結果」であって、働く「目的」ではない、ということです。

では働く「目的」とは何なのでしょうか?当たり前なことをいうなと怒られるかもしれませんが、それは「幸せになること」です。私たちは皆、幸せになるために生きているのです。お金のために人が生きているのならば、お金が主人で、人はお金の奴隷に成り下がってしまいます。

「幸せになる」ためには人生の大部分を費やす「仕事」が自分の「やりたいこと」であることが大変重要になります。そのためには、仕事選びの判断軸として何が必要なのでしょうか?

「やりたいこと」の正体は「なりたい職業」ではなく「得たい感情」

「やりたいこと」は何ですか?と聞かれたら、あなたは何と答えますか?「仕事でやりたいことは?」と聞かれると、「商社マンになりたい」とか「看護師になりたい」、あるいは「営業をしたい」等の職業・職種名で答える方が多いのではないでしょうか。このような回答をする人は「やりたいこと」をみつけることが難しいと言われています。なぜなら、「やりたいこと」の正体は職業・職種ではないからです。

実は、「やりたいこと」の正体は「得たい感情」のことなのです。Human Matureではそれ(得たい感情)を「LOVE」と呼んでいます。どういうこと?と感じられた方も少なくないかもしれませんね。つまり、私たちは「得たい感情(LOVE)」を得ることで働きがいや生きがいを感じることができるということです。「得たい感情(LOVE)」を得ることが目的であり、そのための手段が「仕事」なのです。

仕事選びの基準の話に戻りますが、就活や転職活動がうまくいく人は、仕事を探すのではなく、自分の「得たい感情(LOVE)」が満たされるかどうかという軸を重視しています。そのため、人生を通して「自分のやりたいこと」と出会いやすくなり、やりたいこと迷子になることが少ないのです。

エンゲージメントが高い人はライフワークをしている

先ほどライスワークについて書きました。お金を稼ぐことが目的な仕事がライスワークです。一方で、「やりたいこと」をやるのが目的、つまり「得たい感情(LOVE)」を得ることが目的な仕事をライフワークとよびます。

具体的に「得たい感情(LOVE)」とはどのような感情なのでしょうか?カリフォルニア大学の研究チームは、感情は全部で27種類あることを明らかにしましたが、このうち、LOVEにつながる感情は次の7種類です。

  • 安心感:脳内ホルモン「セロトニン」に由来するリラックスした感覚

  • 好き:純粋にその対象に美しさや魅力を感じる感覚

  • 面白い:ユーモアや笑いなどの純粋に楽しい感覚

  • 知りたい:興味の感覚で、自分の世界を広げたいという知的好奇心

  • ワクワク:興奮の感覚で、英語にするとExcitement

  • 役立てる:他者に喜んでもらったときの嬉しい感覚(大きなLOVEに繋がる)

  • フィット感:居心地が良く自然体でいられる感覚

皆さんの現在の日常の中に、この7つの感情が含まれているでしょうか?仕事でも趣味でもボランティアでも、どのような活動でも構いませんので考えてみてください。「やりたいこと」の発見につながる可能性があります。

更に幸福度を高めるために必要なこと

繰り返しになりますが、人生の目的は幸せになることです。そのために、「やりたいこと」=「得たい感情(LOVE)を得る」ことを人生の選択の最重要判断軸にすべきであり、その判断軸に基づいて仕事を選ぶべきということをお伝えしてきました。では、更に幸福度を高めるためには何が必要なのでしょうか?

他者への貢献感が人生の幸福感に直結する(Giverの精神)

その答えは脳科学によって解明されています。先ほど、LOVEに繋がる7つの感情について記載しましたが、この中でも特に大きなLOVEに繋がる感情が「役立てる」です。私たちの脳は、「自分のため」にするよりも、「他人のため」にすることによって得られる感情の方が、より高い幸福度に繋がることが研究によって明らかになっています。2007年のブリティッシュ・コロンビア大学の研究では自分のために給料を使うより他人のために使う方が、使う金額の多少によらず幸福度が高いことも証明されています。

つまり、より幸福度を高めるためには人から奪う「Taker」ではなく、人に与える「Giver」の精神が重要ということになります。また、世界中の成功者を分析すると、最も経済的な成功を収めるのもGiverであると結論づけています。Giverは幸福も成功も手にすることができるということですね。

また、同様のことはマズローの欲求5段階説のピラミッドからも説明できます。マズローは自己実現の欲求が満たされた先には、自己超越、つまり他者や社会のためにGiveすることが最上位の動機であると定義しています。

参照:八木仁平公式サイト

(参考)Human MatureのLOVE理論ではLOVEの3段階で説明

Human MatureのLOVE理論では以下のように定義しています。

  1. 自己実現の欲求→自己LOVE

  2. 自己超越の欲求①→他者LOVE

  3. 自己超越の欲求②→サステナブルLOVE(=パーパス)

LOVE理論:LOVEの成熟曲線

LOVE理論については以下をご覧ください。

幸福になれない間違った仕事の選び方

すでにご理解いただいた通り、「LOVE」を判断軸にせず、物質的な利益に関する判断軸のみ人生の大事な選択をしてしまうとどうなるでしょうか?しばらく経ってから違和感を感じるようになるのです。業界トップの大企業に就職することができた。得意の計算スキルを活かして経理の職についた。小さい頃から頑張って勉強して医者になった。けど、自分が本当にやりたいことってこれなんだっけ?と迷子になってしまうというのは自分ごとのように感じる方が少なくないのではないでしょうか。もちろん、このような選択が間違いだとは言い切れません。大企業に入ることや得意分野(自分の強み)を活かすことは、成功につながるかもしれません。ただし、成功したから幸福とはいえないから、こんなにも多くの人々が悩んでいるのだと思います。どんな仕事をしてなんとなく上手く言ったとしても、心から幸福感を感じることはできません。人には下記の様な勘違いをしていることが多いです。

自分のLOVEに蓋をし続けた末路は「オッサン」

ギャラップのエンゲージメント調査結果を振り返ってみましょう。

  • エンゲージしている人:日本人の5%

  • エンゲージしていない人:日本人の72%

  • 全くエンゲージしていない人:日本の23%

これまでのnoteでお伝えした考えと、上記ギャラップのデータを重ねてみると、ざっくりと以下のようにまとめることができます。

  • エンゲージしている人:自分のLOVEを軸に生きている人=内発的動機で働いている人=幸福度の高い人=子供(自己LOVE)・超子供(他者LOVE)・賢者(サステナブルLOVE)

  • エンゲージしていない人:自分のLOVEより物質的な利益を目的に生きている人=外発的動機で働いている人=幸福度が高くない人(成功はしてるかも)=大人

  • 全くエンゲージしていない人:組織にとってネガティブな影響を及ぼす存在=老害=オッサン

日本型組織の成長を阻む抵抗勢力の正体は「オッサン」と言われています。まずは、組織の23%もの従業員がオッサンであるという現実を受け入れた上で今後の組織開発を考えていくことが求められます。また、オッサン予備軍でもあり、超子供予備軍でもある「大人」をいかに「超子供」にもっていけるかが人材戦略の方向性でしょう。キーワードはLOVEです。

今回(第1弾)のメインメッセージ

「やりたいこと」を見つけるために必要なことは、まず「やりたいこと」の正体を理解することが重要です。

「やりたいこと」の正体は「仕事」ではなく「得たい感情(LOVE)」を得ること

  • 私たちの人生の目的は幸せになること

  • そのために、「やりたいこと」をやる

  • つまり、「得たい感情(LOVE)」を得る

  • そのための手段として、仕事をする

上下の関係は目的と手段の関係です。上に行くほど目的で、下に行くほど手段です。私たちは手段が目的化するという失敗を人生で何度も繰り返してきました。それも今日で終わりにしませんか。上記の目的と手段の関係を意識して、自分のLOVEを軸に生きることが幸福度を高める本質的なアプローチです。

次回以降は「おとな」「オッサン」が生まれる原因を追及し、LOVE理論を使った実践敵な解決策をご提案します。

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