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傾聴力①「聴く」のが上手い人はGiverの精神を相手に向けられる人

私は経営コンサルタントの新米秘書です。
社長の側にいて学んだことを備忘録として発信していきます!

社長はよくクライアントの話に対して”聴く”を徹底するように言います。

私は最初、その言葉を聞いたとき「相手が気持ちよく話せるように工夫しなければいけない」と解釈していました。ただ話を聞くのではなく、愛想よく相槌をし相手の言葉をオウム返しすることによって共感していることを示すなど、聴くときの反応を良くする技術のことを言っていると思っていました。

しかし、『Listen』という本を読み「聴くとはこういうことなのか!」と”聴く”ことの本当の意味を知ったと同時に「私、今まで全然人の話聴けてなかったわ…」とこれまで関わってきた様々な人との会話を振り返り反省しました。

初回NOTEでは弊社が大切にしている”聴く”について社長から教わったことを交えながら、本書を読んで解釈したこと、知ってよかった知識をまとめてみます。

そもそも”聞く”と”聴く”の違いは何でしょうか?

「聞く」(Hear)=音や声が受動的に自然に耳に入ってくること
「聴く」(Listen)=耳に入ってくる音の情報を積極的に理解しようすること

“聞く”は何かをしながらでも耳に入ってきて、右から左へと流れるような受動的な行為です。
“聴く”は漢字に「目」と「心」が入っているくらいなので、より深く集中して理解しようと意識的に情報や言葉を聞き入れるということ。

「聞くこと」は「聴くこと」の前段階にあり「聴くこと」は他の感覚や脳みそをフル稼働させて入ってくる情報のすべてを処理し、そこから意味を引き出す能動的な行為です。

”聞く”と”聴く”は全然違います。

【今回伝えたいこと】

  • 「聴く」には”あり方”と”やり方”がある。

  • 本当の意味で「聴く」に必要な要素は「Giverの精神」と「共感的理解」。

■「聴く」ことの”あり方(Being)”と”やり方(Doing)”

「聴く」ことは「あり方(Being)」と「やり方(Doing)」で成り立ちます。

あり方(Being)「なぜそのように行動するのか」というような行動の源泉になる動機や大切にしている理念に基づくもの、向き合う相手や事象に対するスタンスです。
一方、やり方(Doing)とは具体的な戦略、目的や目標を達成するための手段です。

「聴く」の”あり方":Giver精神をもって相手に向き合う。
「聴く」の”やり方”:ミラーリング、愛想の良い相や槌相手の話を適宜サマライズするなど。

どれだけ「やり方」を身につけても「あり方」に問題があれば「聴く」ことはできません。

相手の言ったことに対するリアクションや切り返す質問力はすごく重要ですが、小手先のテクニックだけではなく、人の話を聴くときのスタンスや姿勢が重要です。むしろ「あり方」が良くないとどんなテクニックをしたとしても、本当の意味で「聴く」ことはできていません。

ここでいうGiver精神とは「相手のために自分ができること/与えられること」を軸に考えて行動することです。

私は過去を振り返ると相手にGiverの精神をもって話を聴けていたかというと自信はありません…。
正直、次に何を伝えようか、どう質問して切り返そうかなどベクトルが自分にしか向いていなかったかもしれないです…。

「聴く」ことが出来る人は相手に興味関心を持ち、相手のために自分が出来ること、言ってあげられることを探すために聴きます。これが人と対話をする場面でのGiver精神です。その結果、相手の隠れた本音や言葉を引き出すことができ、興味深い会話が生まれるのです。

■「Giver精神で聴けている状態」ってどんな状態?

テクニックは身につけられても、意識的にあり方をGiverの精神に切り替えるのは難しいですよね。
「Giver精神で聴けている状態」とはつまり「共感的理解ができている状態」です。

「共感的理解ができている状態」とは・・・

・話し手の頭と心の中で何が起きているのかを分かろうとしている
 ⇨「あなたを気にかけているよ」と行動で示せている

・話し手に対して「この人はなぜこの話を私に聞かせているのだろう?」と常に自問しながら聴く。(話し手は、必ずしも自分で答えをわかっていない)
 ⇨優れた聴き手は、それを承知の上で質問を投げかけ、もう少し詳しく話すよう働きかけることで、話し手が答えを自分で気づくように手助けをする

・話し手が求めていることが会話の中で見つかり、話し手本人気が感情や問題を整理できている、話し手が気づけていない潜在的な感情に気づいてあげられる。
 ⇨聞き手がかけた言葉に対して、話し手が「まさにそのとおり!」「わかってくれるのね!」と反応してくれる

これらはほとんど、相手に対して共感的理解ができている状態、つまり、Giver精神で聴けている状態です。どうしてそのような考えに至ったのかなどの背景に関心をもつことが重要なのです。肯定的関心を示すことで、話し手は「自分の話が受け入れられている」と安心できます。

このときに、相手の感情に同情する必要はありませんが、相手の感情を受け止め、想像することが大切になります。

相手に賛同しなくても肯定的な関心をもって「あなたはこう思っているのですね。もっと詳しく聞かせてください」と受け入れることも共感的理解に繋がります。

■「聴く」ために徹底しないといけない意識付け


相手のために自分は何が出来るのだろう、と想いながら聴く

相手が話している事実や解釈は表層的なものなので、それに対してどれだけ良い傾聴技術を駆使できてもそれは本質的に聴けて要ることにはなりません。また、勝手に自分が描いているシナリオ通りに会話を誘導したり、自分が導きたい結果や回答を言わせようという気持ちが根底に少しでもあれば、自己満足の会話で終ってしまいます。

”聴き手”である私達の役目は相手の話の背景にある価値観や気持ちの深層的なものまで汲み取り、相手の話の理屈を深く理解し共感することです。

常に「相手が求めていることはなんだろう」「それに対して自分は何ができるのか」を考えながら聴くことで相手にもそのGiver精神が伝わり、結果的にビジネスでもプライベートでも両者にとって良い関係を積み上げることができるのです。


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