人権問題における「責任」は、思いやりや道徳とは関係ない
前々々回、「力には、必ず責任がともなうのです。人の社会において、『強い立場』の人は『弱い立場』の人に対して、常に責任を持たねばなりません」と書きました。ただ、ここで言っている「責任」は、思いやりや、道徳や良心に基づくものではありません。もちろん、現実には「責任」感は「義務」感などといっしょになっていることが多く、そのこと自体はむしろ自然なことです。しかし、差別や人権侵害の解決を考える上では、法律や道徳に基づく「義務」と、力の関係に基づく「責任」とを区別することが、非常に重要で