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アートと記憶

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#東京画廊

戦後の日本文化における岡本太郎先生の3つの役割

戦後の日本文化における岡本太郎先生の3つの役割

今日は、戦後の日本文化における岡本太郎先生の3つの役割を考えてみました。

いずれも先生の思考の中心にあるのは、1930年から1940年までにパリで学んだ体験です。

これは東京画廊で1961年に展示しました。(タイトル不明)

まず1つ目は美術に関してです。
当時のパリは印象派の時代が終わり、抽象美術やシュールレアリスムの運動などが盛んで、色々な国からアーティストたちが集まる世界都市でした。太郎

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岡本太郎先生の記憶

岡本太郎先生の記憶

さてさて記憶を蘇らせながら、私のアート体験を話し始めます。

今回は、岡本太郎先生のお話です。

前もってお詫びしておきます。父のように日記を残していないので、私の記憶が不確かなうえいくぶん後から脚色してしまっているところもあり、それをお含みおき下さい。

10月12日の午前中にベネッセ倶楽部エリアイベントで、岡本太郎先生の嘗てのアトリエだった岡本太郎記念館を訪ねました。
小学生の頃以来60年振り

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アーティストとして認められる社会環境について

いよいよ3番目の自立の条件についてお話します。
1番目と2番目を可能にさせる社会環境についてです。

江戸も中期を過ぎると町人たちの経済活動が盛んになり、
100万人の人口を抱える世界でも屈指の大都市になりました。
信長や秀吉による経済的インフラの改革が、
徳川の時代に実を結び鎖国によって熟成した文化が育ちます。
この文化はそれまでに無かった町人たちによる文化です。

武士階級に支えられた

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アーティストとして認められるための1つ目の条件とは?

今日は、アーティストについてお話ししたいと思います。

近現代の資本主義社会において、

アーティストとして認められるには3つの自立に関する条件があります。

1.作品の表現つまり画題と画法を自身で決められる「自立」
2.生活のための収入が自足していて制作を続けられる「自立」
3.以上の2つの条件を可能にする社会環境がある「自立」

三大巨匠であるダビンチ、レンブラント、北斎は、近代以前にこれらの

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