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このミステリ小説には、経験したことがない謎解きが最後に――。

この小説が、これまた良かったんです!! という、私の読書感想文を今日も記すことにします――。

経緯はこちらの記事をご参照ください。↓↓↓

宝物小説を探す旅と称して、ネットサーフィンによるレア小説を探しておりました。結果的には、レアではなく有名な作品に出会うかもしれませんし、本当に知る人にしか知られていない貴重な作品に出会えるかもしれません。
私はこの中で数冊の魅力ある作品を紹介をしました。そして、自らもその小説を読みたいと思う力が大きく働いたので、2冊の本を購入いたしました!
そして読んでみたので、読書感想文を書こうと思います。
★その2冊目がこちらです。↓↓↓

人が死なないミステリ連作短編集

■読書感想文「冷やし熊」

***
「ちょっと見ました? このタイトルと装画を」

私はこのようについ発言してしまったのです。もちろんそれは、否定的な言葉ではなく、とても気になる自分の気持ちを代弁したに過ぎないのですが。そして、その魅力を味わう羽目になりました。

冷やし熊――

そんな言葉は聞いたことは勿論無いですが、二つの単語は当然に知っているのです。冷やす、熊、です。どちらもよく知る単語です。これが重なると何のことだか、さっぱり分かりません。近い言葉と言えば、「冷やし中華」は知っています。

(もしかしたら、それの熊のバージョン?)

熊を食べるとも思えない私は、これがミステリ本だということすら忘れて読み始めるのですが、まんまと著者である真田海帆さんの術中にはまったのだと思うのでした。

私はこの本を買えて良かったと思っています。とても楽しかったのです。ミステリ、推理小説というのは楽しいと言えば楽しいのですが、たいがい人が殺されるんです。そしてその難事件を解いていく。私は、フィクションだとしても人が死ぬのがやっぱり嫌でした。そして、それしか無いのか? と決まりきったテーマに少し疑問符だったのです。だから、こうも思ったんです。

(人が死なないミステリなんて、最高です)

読み終えてその結果は分かれると思っていました。「この本は面白いからまた読むと思うし、書棚には大切にしまうでしょう」あるいは、「ちょっと残念でしたけど、期待していた路線ではなかったようです」のどちらかだろうと。答えは私がこうして書いている時点で自明なのですが、前者でしたね。人が死なないミステリはとても楽しめました。

世の中には意味がわからない謎が多い。その大半は解明されないまま、遠い過去の渦潮に揉まれ、藻屑になってしまうのが常ではないだろうか。

この本の中の文面ですが、これが作品の源になりミステリを生み出している象徴的な所だと思いました。真田海帆さんは、おそらく”ちょっとした謎を敏感に感じ取る感性”をお持ちなのだろうと推測いたしました。

ひより、鈴一、葵、杏子(粒餡)たちの登場人物は、キャラクターが身近で親しみ易く、まるで目前で彼らの日常が繰り広げられているように読み進められます。

お話は短編が4編。しかも物語は連作です。

第1話 綱渡りの猫の後継に問う
第2話 犬ととうきびを巡る怪事件
第3話 冷やし熊
第4話 ひやしぐま後日譚

私は冒頭に書きましたが、この本を買った動機のほぼ半分程度はこの第3話に出現する「冷やし熊」という題名です。第1話を読み終わった私は、その物語のミステリが解けた爽快感と共に、ある謎に悩まされました。

(「冷やし熊」はまあ楽しみに待つとして、なぜ第1話はこういう題名なのだろう?)

読み終える少し前から疼き出す“悩む”という感情です。ミステリは主人公達が爽快な後味の物語にして演じてくれたのに、読者の私は置き去りにされる感覚でした。

(あれれ? ちょっと分からないぞ)

謎を胸に置かれたまま読み進める自分がいます。しかし、きっとそれは私が一語一語を確かめるように熟読するのではなく、物語のテンポに合わせて同じリズムで早く歩くように進めていたこの読み方が原因なのかもしれないと思いました。肝心な部分を読み飛ばしてしまったかもしれないと考えたのです。

第2話を読み終えて、これまた楽しいお話でした。そして、この題目はすんなりと身体に入ります。「そうだよね」と理解したのです。

いよいよ本命と考えていた第3話に突入です。このお話は、特に良かったですね。(登場する)宣時くんに助演男優賞を贈りたいです。そしてまた、いつもの主人公達の活躍はほかのお話に劣らず素晴らしかったのです。

しかし、ついに私は謎の渦に巻かれました。

本から飛び出して私を助けて欲しいと思いました。
(どうか、第1話と第3話の題名の訳を教えてくれ!)
とです。

第4話があって助かりました。ここで真田海帆さんに私は助けられるのです。第1話の謎が解けました。しかし、しかし、ほっと胸を撫で下ろすも束の間、肝心の第3話の謎が解けぬまま、文面は最後のページを終えました。

楽しみにしていた「冷やし熊」が、その言葉が、なんと、、、分からなかったのです。

なんてことでしょう。私は得意ではない作業をすることにしました。もう一度、独力で文章を読み直すことです。小学校時代から国語の成績が振るわないわけですね。

主人公達、彼らとは違う自信に満ちていない答えは導き出しました――。
だから、こっそり教えてください。真田海帆さん! こういう理解で合っているでしょうか? そういう風にいつかどこかで聞いてみたいと思います。

「○○△△☆☆ということですね?」(※ここでは秘密にします。ふふふ)

それでは、私の読書感想文を閉じる前に、もう少々感じた事を書いておきます。

「物語中で数回話題として登場した『血染めの鳥瞰図』は読みたくなりますね。あとは、人は殺されなかったですが、熊のパンは鋭利な凶器で貫かれていましたね。それと、なんだか、角食、食べたくなってきたな……」

ありがとうございました。
***

ここで買えました。気になった方は是非どうぞ。↓↓↓

著者の方の作品リンク見つけました🐻



★こんな内容ですが、最後まで読んでくださった方々、ありがとうございます。✨

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