今年の夏を日本一楽しみにしていた男
感情は言葉を変えてしまうから。
コロナ禍が続く昨今、祖父は孫に「帰ってくんな」と言われたらしいのです。
コロナ禍と島
このコロナ過、旅行に帰省、そしてちょっとした飲み会までも自粛をしたという方は多いのではないでしょうか。
私が住む島「さぬき広島」も例外ではなくて、市役所・地元自治会から「不要不急の来島自粛願い」が出されました(8月25日現在継続中)。
なにせ高齢者率86%の島ですからね、、、
私自身も、日中は丸亀市の臨時職員として働いている手前、両親や祖父母のいる大阪には帰省できず、また彼らを島に呼び寄せることもできない状況です。
この状況を私以上に、私や私の両親以上に嘆いている人がいます。
そう、私の祖父です。
この夏を日本一楽しみにしていた男
何を隠そう私の暮らす「さぬき広島」は祖父の生まれ故郷です。
自分の生まれ故郷に自分の孫が移住したということもあり、祖父は何かと嬉しそうなのです。
事実、7月初旬にもかかわらず
「お盆、8月12日くらいから島に行こうと思っとるけど大丈夫か?」
と複数回、私に電話がありました。
電話の声を聞くだけで、上機嫌なのが伝わってくるほどでした。
昨年までの祖父はと言うと、お盆の帰省は日帰りでお墓参りをするだけという状況でした。
しかし、今年からは私が島に住んでいるので、泊りがけで帰省が出来る。
また私が移住して以来、定期的に島の旧友と連絡を取るようになったらしいのです。
私が想像するに、この夏は自分の故郷で「孫に会える」「旧友とも再会できる」と色々と島に思いを馳せていたのだと思います。
そのため、この夏を日本一楽しみにしていたのは祖父だったのではないかと私は思っています。
島の海は青く澄んでいます
変換された私の言葉
祖父の期待もむなしく自粛願いは現在も継続中。そのため、私は、
「すまんねんけど、市の職員っていう立場があるから、この盆とか彼岸の帰省は控えてくれるか」
と祖父に伝えるしかなかったのです。
無念の電話を祖父と交わした数日後、島に住む祖父の同級生から、こんな話を聞かされました。
「あんたのじいさんから電話あったがな。「孫から帰ってくんなって言われた」って嘆いてたで」
ん?「帰ってくんな」なんて言ってないぞ。
もちろん祖父は怒っているわけではなかったのですが、
おそらく「すまんねんけど、市の職員っていう立場があるから、この盆とか彼岸の帰省は控えてくれるか」という発言は祖父の中で
「帰ってくんな」
に変換されてしまったのだと思います。
私との電話口では「まぁ、しゃーないな」と気丈にふるまっていた祖父でしたが、どうやら本心は相当ショックだったようです。
三密が嘘のような海沿いの道
感情は言葉を変えてしまうから
祖父の帰省をめぐる一件は、傍からみれば孫に会いたい・故郷に帰りたいという微笑ましい話かもしれません。
ただ一方で、自分の感情によって、相手の言葉が変換されてしまうというのは少し怖くもあります。
おそらく祖父だけでなく、私にも大いに起こりうることです。
コロナ禍を見ていると、どこか多くの人がとても感情的になっていると思うのです。
特に感染者が見つかろうものなら、袋叩きにしていることさえあります。
感情的になっているときには、相手の弁明は全く耳に入っていない、もしくは異なる言葉に変換されているかもしれません。
コロナ禍で陰鬱な日々が続く今だからこそ、自分の感情のアップダウンを少し冷静に見直したいと思う今日この頃です。
なぜなら、感情は言葉を変えてしまうから。
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祖父はもとよりですが、本当にもっと多くの方に島の夏を味わってほしかったな思います。
コロナが終息した暁には、「さぬき広島」に瀬戸内の島々を眺めにきてくださいね。
きっと自粛疲れを癒してくれることと思います!
というわけで、本日はこれにて!
ご清読ありがとうございました!
また明日も宜しくお願い致します!
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