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税金の徴収もまちづくり

「税金の徴収が、何よりもまちづくりやと思うわ」

市役所で働いている男性が私にこう言った。私はこのときハッとしたのである。なぜなら私の中でまちづくりという言葉が捉える範囲がいつの間にか限定されていたからだ。

市役所の税務課には税金未納者に対して、「税金払ってくださいよー」と声をかける仕事があるらしい。他方でわたしがまちづくりという言葉を発するとき、そして耳にするとき、そこでは観光、コミュニティ、繋がりなんていうイメージが湧いてくる。

ただ、実際は税金の徴収なくしてまちは機能しないし、国や県からの補助金も欠かせない。またその人が言うには

「新しいイベントが毎年開催されるけど、税金の徴収はもちろん、よっぽど生活保護のケアとか水道の管理だとかのほうが市民のためになってるよね」

と。まちづくりは確かに地域のためにある。しかし、私がイメージするまちづくりはあくまで「付加」、もっといえば「余剰」であって、すなわち存在を消したとしてもまち自体は消失しない。しかし、彼の語るまちづくりは、まちづくりにおける「根幹」であり、まちの存続になくてはならないのだ。

無論、議論のベクトルや次元が全く違うといえばそれまでだが、それでもなお彼の指摘はとても示唆に富んでいるように思う。それはまちづくりが夢や希望のような抽象的な存在として議論され、具体性を欠く場面が少なくないからである。だからこそ、今回の件をもっと俗な表現で言えば

「観光やらコミュニティがどうやら言う前に、やらなアカンことあるやろ」

ということになる。その権化がをまさしく税金を正しく市民に納めさせるという仕事である。

「まちづくり」という言葉のもとで何かをしようというのであれば、「まちづくり」を可能とするまちづくりの存在を忘れてはならない。

ーーー

私自身が今市役所でアルバイトをさせてもらっていると、いわゆる「市民の目には見えない仕事」が市役所には沢山あるんだなぁと思う場面が多いです。

私個人としてはまちづくりについて昨今の民間企業やコンサルが語る「過度な行政批判」はいかがなものかと感じることも多くあります。たぶんそういう人たちからすると行政は「補助金分配マシーン」のような存在なのかなと。行政もまちづくりを語るうえで必要不可欠な存在であることは確かです。
だからこそ、お上でもなく、下僕でもなくパートナーとして行政と民間・地域が連携できるといいのかなと思います。

なんか月並みな感想になっちゃいました(笑)

というわけで、本日はこれにて!
ご清読ありがとうございました!

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