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「誰でもできる」を作り出す ~料理コラムニスト・山本ゆりさんに思う~
簡略化には「誰でもできる」がゆえに、誰もが欠点に気づきやすくなるという厳しい状況が待っている。
誰にも真似できないという価値
「あの人にしかできない」すなわち誰にも真似できない技術や姿勢だったりが評価される場面は多々ある。そうした人はきっといわゆる職人気質だったりするのだろうか。誰にも真似できないからこそ、評価される一品があったり、その人の存在が価値そのものであったりもする。
想像するに、常人の努力では比べ物にならないほどのの努力がそこにはあるのだろう。「誰にも真似できない」孤高の存在に他人の手が届くことは一生ない。
山本ゆりさんご存知ですか?
さて、先日MBSの「情熱大陸」に山本ゆりさんが出演していた。いまや本屋に行って彼女のレシピ本を見ない日はない。
職人的な価値とは違い、山本さんが提示する価値は誰でもできること。何かを極めることとは、全く別のベクトルの価値である。
「情熱大陸」では冷凍しておいた鶏肉をそのまま炊飯器でチャーシューにするレシピづくりが放映されていた。冷凍肉を解凍しない、フライパンや鍋は使わない、調味料はまぜるだけ。手順をより簡単に、誰でもできるやり方を提示していく。それが彼女のやり方なのだ。
「誰でもできる」を作る
今や本屋に行くと、料理だけでなく色々なものが「誰でもできる」なんて触れ込みで販売されている。彼女の密着取材をみてようやく、世の中には職人的に「誰でもできる」を作る人がいるということに気がついた。
チャーシューを作るためにみりんの配合を変えたり、生肉と冷凍肉で食感を比べてみたり。簡単料理の裏には、隠された精緻なトライアンドエラーがそこにはあったのだ。
洗練された簡単さ
モノゴトを簡略化するというは、それらを複雑化させるよりも難しかったりもする。なぜなら、簡略化には「誰でもできる」がゆえに誰もが欠点に気づきやすくなるという状況が待っているからだ。
また特に料理という多くの人間がトライする領域で、山本さんが常に「誰にでもできる」を世に送り出しているという事実は殊更にその価値が際立っているように思う。
彼女の「誰にでもできる」を作るという仕事は、「誰にも真似できない」。
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山本さんのエッセイ、本当にオススメです。笑いが思わず出てしまう内容とテンポ感。そして、この春、5年ぶりにエッセイ本が出版されました。
久しぶりに古本ではなく、新刊に手を伸ばす決意をした今日この頃。
というわけで本日はこれにて!
ご清読ありがとうございました!
ヘッダーの写真は「情熱大陸」HPからお借りしました。
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