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仏教の教え 空海の言葉

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どの宗教を信じるかによらず、仏教の教えや空海の言葉からは多くのことを学ぶことが出来ます。
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#空海

独鈷杵とは。○○○菩薩や○○天が手に持っている法具

独鈷杵とは。○○○菩薩や○○天が手に持っている法具

前回は、独鈷杵を含む金剛杵について解説しました。

今回は「独鈷杵」について解説します。

一般には「とっこ」と呼ばれます。
高野山などでは「とこ」と発音されることもあります。

別名で一鈷杵と呼ぶこともあります。

形から見ると、五鈷杵や三鈷杵よりも、より武器のような印象を受けますよね。

実際に、他の金剛杵よりも、攻撃的な意味合いを持ちます。

独鈷杵を持つ仏・大精進菩薩(だいしょうじんぼさつ

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密教法具 金剛杵とは何なのか。三鈷杵も金剛杵の仲間。

密教法具 金剛杵とは何なのか。三鈷杵も金剛杵の仲間。

金剛杵。読み方は「こんごうしょ」と読みます。

金剛杵というと聞き慣れない方も多いと思いますが、三鈷杵や五鈷杵といった名前なら聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

密教法具である金剛杵は、独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵、鈴鈷杵などを含んだ総称です。

名前は知らなくても「弘法大師空海が握っている武器のようなもの」といえばイメージが湧く方もいるのではないでしょうか。

ちなみに、独鈷は「とっこ」

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「地獄の蓋をも開く力」があるパワースポット。悩む女性に僧侶が示した場所とは・・

「地獄の蓋をも開く力」があるパワースポット。悩む女性に僧侶が示した場所とは・・

以前、丹生都比売神社(天野大社)にある光明真言の彫られた石碑について書きました。

実は、この石碑について、高野山に住む人も知らないことが多く、「いつもお参りするけど知らなかった!」という人が、多いのです。

今日は、私がこの石碑を知ったきっかけをお話します。

バブル崩壊後、苦境に陥った女性の話です。

その方はよく法徳堂にお越しになっていたのですが、自らの苦境について悩みを打ち明けくれました。

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波浪の滅生はただしこれ水なり、一心は本より堪然として澄めり

波浪の滅生はただしこれ水なり、一心は本より堪然として澄めり

From:高野山法徳堂

出典秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)

読み方波浪(はろう)の滅生(めっしょう)はただしこれ水なり、 一心(いっしん)は本(もと)より堪然(たんねん)として澄(す)めり。

解説風雨で水面がざわめこうとも、心は水の底と同じように安定して澄んでいる。

風雨とは煩悩に端を発する心のざわめきを指していて、表面的に心がざわめくことがあるとしても、心の本質は穏やかなもので、煩悩を取り除

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それ生は我が願いにあらざれども、無明の父、我を生ず。死は我が欲するにあらざれども、因業の鬼、我を殺す。

それ生は我が願いにあらざれども、無明の父、我を生ず。死は我が欲するにあらざれども、因業の鬼、我を殺す。

こんにちは。高野山法徳堂です。

本日、ご紹介する空海の言葉は、、、

それ生は我が願いにあらざれども、無明の父、我を生ず。死は我が欲するにあらざれども、因業の鬼、我を殺す。

現在の言葉で言い表すと、、、

自分で願って生まれてきたわけではないけれども、この世に生を受けた。
生まれた限りは死は望まないが、様々な原因が重なり鬼がやってきて私を死に至らしめるのです。

すべてが思い通りには進まない。

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物の興廃は必ず人による。人の昇沈は定めて道にあり。

物の興廃は必ず人による。人の昇沈は定めて道にあり。

こんにちは。高野山法徳堂です。

本日、ご紹介する空海の言葉は、、、

物の興廃は必ず人による。人の昇沈は定めて道にあり。

現在の言葉で言い表すと、、、

物事が栄えるか滅びるかは、その物事に関わっている人によります。
人が向上するか沈んでしまうかは、その人の学んだことや生き方によります。

この言葉は、まさに今のような状況に当てはまるように思います。

ー高野山法徳堂

PS
高野山はあじさい

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影は形に随って直く、響きは声に逐って応ず。

影は形に随って直く、響きは声に逐って応ず。

おはようございます。高野山法徳堂です。

ずいぶんと春らしい気候になってきましたね😊
久しぶりに車に乗ったのですが、いつの間にかツツジがきれいに咲いていました🌻外出自粛をしていると季節感が失われてきますね・・

さて今日、お届けする空海の言葉ですが、、、

影は形に随(したが)って直く、響きは声に逐(したが)って応ず。

どのような意味かといいますと、、、

影はその形にそって現れて、声は発し

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嫉妬の心は彼我より生ず。平等を得ればすなわち嫉妬を離る。

嫉妬の心は彼我より生ず。平等を得ればすなわち嫉妬を離る。

こんにちは。高野山法徳堂です。

高野山も暖かい日が続くようになってきました😊

さて、今日お届けする空海の言葉ですが、、、

嫉妬の心は彼我より生ず。
平等を得ればすなわち嫉妬を離る。

どのような意味かといいますと、、、

嫉妬をするのは、自分と他人を分けて考える事から生じます。
他人も自分と同じであると気づけば嫉妬の心も消える。

彼我(ひが)とは、他人と自分を分けることを指します。

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それ釈教は浩汗にして際なく涯なし。一言これを蔽えばただ二利あり。(御請来目録)

それ釈教は浩汗にして際なく涯なし。一言これを蔽えばただ二利あり。(御請来目録)

高野山法徳堂です。

今日ご紹介する空海のことばは、

それ釈教(しゃっきょう)は浩汗(こうかん)にして際なく涯(がい)なし。一言(いちごん)これを蔽(おお)えばただ二利(にり)あり

これはどういう意味かといいますと、

仏教の教えは、際限なく広大な教えであるが、一言でこれを表せば”二利”に尽きる。

ここでいう「二利」とは、自利と利他の2つを指します。

利というと、経済的な利益や金銭的な利益

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身は花とともに落つれども、心は香とともに飛ぶ。(性霊集)

身は花とともに落つれども、心は香とともに飛ぶ。(性霊集)

高野山法徳堂です。

今日、お届けする言葉はこちら、、、

身は花とともに落つれども、心は香とともに飛ぶ。

どのような意味かといいますと、

体は花とともに落ちたとしても、その心は花の香とともに漂う。

といった意味になるでしょうか。

これは花を人間の体に例えています。
落ちるとは、人が亡くなることを指しています。

落ちた花も、すぐに香りを失うのではなく、しばらくの間、落ちた花のまわりに香り

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菩薩の用心は皆、慈悲を以って本(もとい)とし、利他を以って先とす。

菩薩の用心は皆、慈悲を以って本(もとい)とし、利他を以って先とす。

From: 高野山法徳堂

今日、ご紹介するのは秘蔵宝鑰にある次の言葉、

菩薩の用心は皆、慈悲を以って本(もとい)とし、利他を以って先とす。

現在の言葉で表すと、

菩薩が心はすべて慈悲を基本とし、まず人の為を先に考える。

のように、自分よりもまず他人のことを考えることが、幸せにつながると説いています。

では、菩薩とはどのような仏なのでしょうか。

菩薩とは、悟りを開くための修行をしながら

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如何ぞ己身の膏肓を療せずして、たやすく腫脚を発露す。

如何ぞ己身の膏肓を療せずして、たやすく腫脚を発露す。

From: 高野山法徳堂

今日、ご紹介する空海の言葉は、三教指帰にある

如何ぞ己身の膏肓を療せずして、たやすく腫脚を発露す。

という一節。

これは現在の言葉にすると、

なぜ、わたし達は、自らの欠点を正そうとはせず、他人の揚げ足をすくおうとするのだろうか。

今も昔も人間の性質は変わらないというのがわかりますね。

ー高野山法徳堂

始めあり終りあるは、この世の常の理、生者必滅はすなわち人の定まる則(おきて)なり。

始めあり終りあるは、この世の常の理、生者必滅はすなわち人の定まる則(おきて)なり。

From: 高野山法徳堂

今日ご紹介する空海の言葉は、、、

始めあり終りあるは、この世の常の理(ことわり)、生者必滅はすなわち人の定まる則(おきて)なり。(大日経開題)

これは現代風にいうとどのような意味かといいますと、

始めがあるものには終りがあるのが、この世のルール。
どんな人にでも死は平等に訪れます。

のような意味合いでしょうか。

これはあるすばらしい人格者であった女性が亡くなっ

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