密教法具 金剛杵とは何なのか。三鈷杵も金剛杵の仲間。
金剛杵。読み方は「こんごうしょ」と読みます。
金剛杵というと聞き慣れない方も多いと思いますが、三鈷杵や五鈷杵といった名前なら聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
密教法具である金剛杵は、独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵、鈴鈷杵などを含んだ総称です。
名前は知らなくても「弘法大師空海が握っている武器のようなもの」といえばイメージが湧く方もいるのではないでしょうか。
ちなみに、独鈷は「とっこ」と読みます。高野山の一部では「っ」を発音せずに「とこ」と呼ぶ場合もあります。
金剛杵には、五鈷杵(ごこしょ)・三鈷杵(さんこしょ)・独鈷杵(とっこしょ)・鈴鈷杵(れいこしょ)が含まれる。
上図のように、金剛杵の分類としてそれぞれ存在します。
まず、この総称である金剛杵について解説します。
「金剛」といえば、「金剛石」や「南無大師遍照金剛」など、密教では比較的よく聞く言葉です。
金剛とは、ダイヤモンドのことで、密教の智慧は破壊することができないという意味を持ちます。
密教の持つ普遍的な加持の力を表したものだと言われています。
どのような意味を持つのか
前述した空海が握っていたり、一部の仏像が握っていたりする以外には、お寺にある大壇上に配置されています。
上の写真のように、密教儀式ではセットで使用されます。
4つの金剛杵とそれを載せる金剛盤があります。
真鍮などの金属製で、心臓を象ったものと言われています。
また、浄菩提心と呼ばれる人間本来が持っている仏の属性(悟りを求める心)を表しているとも言われます。
この金剛盤の上に五鈷杵(ごこしょ)・三鈷杵(さんこしょ)・独鈷杵(とっこしょ)・鈴鈷杵(れいこしょ)を配置します。
配置する場所については、流派によって違いがあります。
全体として、人が持つ浄菩提心の上にそれぞれの金剛杵を配置することで、密教の持つ加持の力を表しているとされます。
まとめ
今回は金剛杵とは何なのか。また、密教上の意味として、どのような意味を持っているのかについてお伝えしました。
なるべくわかりやすく、一般的な用語を使うように心がけましたが、「もっと簡単に説明して欲しい」「もっと詳しく説明して欲しい」などあれば、ご意見いただければと思います。
「私は別の解釈をしている」などありましたら、コメントいただければと思います。
次回以降で、五鈷杵(ごこしょ)・三鈷杵(さんこしょ)・独鈷杵(とっこしょ)・鈴鈷杵(れいこしょ)など、それぞれの法具の意味合いについて解説していきます。
PS. 高野山法徳堂では、各種密教用具も取り扱っていますので、ご興味がある方いらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。
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