【詩】シルバニアファミリー
1歳の娘が
シルバニアファミリーの
パパを
しゅーっと
口をとがらせながら
背面へ放り投げた
1歳の娘が
シルバニアファミリーの
ママを
しゅーっと
元気よく発声し
側方へ放り投げた
残された
シルバニアファミリーの
娘は
家の中で
1人
散り散りとなった
家族を探さず
1人
声もあげずに
1人
突如訪れた
一家崩壊の危機に
やさしくほほえむだけ
この子の
パパと
ママが
私の
パパと
ママを
見つけてくれるから
と
涙一つ見せず
私にまなざしを向け
やさしくほほえむだけ
私が再び
父と母と娘と
ひとつ屋根の下に戻すと
1歳の娘が現れる
パパは背面へ
ママは側方へ
私が再び
拾い集める
それを
繰り返し
繰り返し
私がこの家族を繋ぎ止める
幸せな家庭は
私が築かねば
ならないのだ
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1歳の娘のクリスマスプレゼントはシルバニアファミリーでした。
嬉しそうに投げていました。
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