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星時雨
2024年2月18日 21:04
そっと差し出された傘を私は受け取らない他人の言葉の陰に身を寄せることなく私は雨に打たれたいそっと差し出された傘を私は受け取らない無遠慮に降り注ぐ雨に打たれるものたちと私は同じ気持ちになりたいそっと差し出された傘を私は受け取らない傷つけてしまったことを忘れぬよう私はこの身を曝し刻みたいそっと差し出された傘を私は受け取らない雨に打たれる姿が憫然たる有り様だとし
2024年1月16日 22:13
黄金の気高さを撒き孤独に伏す危うさを燃える煌きに隠す柔く 柔く金色の幕引きすべてを覆い翳りを生むその暗がりで私は佇む黄昏れる貌が見えぬよう眩く 眩く閃光を間借りして景色を溶かしその金波の余韻を束ね脆く 脆く精神を織る−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−己の繊細さに悩むあなたは、きっと脆くも
2023年12月23日 20:09
僕の手はちいさいから足元の砂を掬っては家やら山やら団子やら作ってははしゃぎ作ってはこわし作ってはひけらかし黄昏がうんと背伸びをするとみるみるうちに僕の姿は大人と呼ばれる形になって次第におおきくなっていく手はたくさん掴めるようになったからとついめいっぱい広げるものだから掬いたくないものまで握りしめて山も森も川も町も人も営みも節操なく根こそぎ掴み取