【詩】砂遊び
僕の手は
ちいさいから
足元の砂を
掬っては
家やら
山やら
団子やら
作っては
はしゃぎ
作っては
こわし
作っては
ひけらかし
黄昏がうんと
背伸びをする
と
みるみるうちに僕の姿は
大人と呼ばれる形になっ
て
次第におおきくなっていく手は
たくさん掴めるようになったから
と
ついめいっぱい広げるものだから
掬いたくないものまで握りしめ
て
山も森も川も町も人も営みも
節操なく根こそぎ掴み取り
家やら山やら団子やら
作っては燥ぎ
作っては壊し
作っては衒らかし
いつまで経っても
同じことを繰り返す
足元の砂ばかり掬っては
大きな穴凹を作る
母親の
もう帰ろうという言葉を
待っている
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手っぽさを出してみました。
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