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きのう、なに読んだ?

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日々読んだ本や長文記事などの、読んだ部分について紹介と感想をメモします。
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マティス前国防長官の若い頃 (“Call Sign Chaos”) | きのう、なに読んだ?

マティス前国防長官の若い頃 (“Call Sign Chaos”) | きのう、なに読んだ?

ジェームス・マティスは元海兵隊大将にして、トランプ政権のもとで2年間国防長官を務めた人物だ。海兵隊屈指の読書家、知識人として知られ、歴戦不敗なことから Mad Dog(直訳は狂犬だけど、ニュアンスとしては「勇猛果敢」が近いかな)と呼ばれることもあった。マティス長官は、常にカオスな感じのトランプ政権の中で、私には唯一の「まともな人」に見えていた。ボブ・ウッドワードがトランプ政権内部を描いた “Fea

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『奇跡の職場』:「創意工夫にあふれた現場」には「徹底した規律」が必要な理由 | きのう、なに読んだ?

『奇跡の職場』:「創意工夫にあふれた現場」には「徹底した規律」が必要な理由 | きのう、なに読んだ?

JR東日本テクノハートTESSEI、通称「テッセイ」という会社がある。東京駅の東北新幹線ホームで列車を整列して待っているお掃除部隊の会社だ。テッセイは、ハーバード・ビジネス・スクールの教材となり、CNN, NHK など内外のメディアに取り上げられてきた。清掃という3K(きつい、汚い、危険)の職場だけれど、透明性と従業員のモチベーションを引き出す仕掛けがちりばめられ、7分で新幹線を清掃する技術と明る

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稀な人(『岩田さん』) | きのう、なに読んだ?

稀な人(『岩田さん』) | きのう、なに読んだ?

「岩田さん」とは、任天堂前社長の岩田聡さんのことだ。4年前、胆管腫瘍のため55歳の若さで亡くなった。

本書は、岩田さんが生前、「ほぼ日刊イトイ新聞」に登場したコンテンツと任天堂社の「社長が訊く」から、岩田さんの語ったものを抜粋し編集したものだ。だから、内容だけで言えば、今もウェブで無料で読める。でも、この本にはお金を出す価値があるし、ウェブ記事より長く読み継がれる可能性もある。「編集」が本書の価

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分解と統合(「ニュータイプの時代」/山口周) | きのう、なに読んだ?

分解と統合(「ニュータイプの時代」/山口周) | きのう、なに読んだ?

山口周さんの新著「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式」を、ダイヤモンド社市川さんからお送りいただき、読んでいた。ベストセラーになっているそうだ。

本書の内容はAmazonのページに詳しく書いてあるので、ここでは触れない。山口周さんは私の好きなタイプのインテリで、文体、論の運び、根拠となる古典や最新の研究の出し方など、山口周スタイルを楽しみながら読み進めた。一方、読みながら気

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