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読書感想文

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読書の感想を書いた記事のまとめ。
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記事一覧

016 | 転職ばっかりうまくなる

016 | 転職ばっかりうまくなる

最近仕事について(とくに今後続けるのか辞めるのか)悩んでいて、こんな記事も書いてみたけれど、それでもなーうーん、辞める・・・?どうする・・・?というときに、最近よく見かけるこの本を読んでみようと思った。

まずこの著者は、大学卒業後ストレートに就職せず、いろいろな職を転々としている。その時点で、大学卒業後ストレートに就職して、転職したいと思いつつもずるずるもうすぐ10年も働いている私と、全然違う、

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015 | 夫婦間における愛の適温

015 | 夫婦間における愛の適温

だいぶ前に下書きとして残してて中途半端だったものを重い腰をあげて書いてみました。というのも、私と母親のくだりを書くのが当時はしんどくてそこでずっと止まっていたのです・・・。あえて前書きからそのまま残してみます。

半年くらい?いやもっと?note放置して読書に耽ってました。
いや、noteに感想書けよ!という感じなのだけど、noteにまとめる前に次の本読んでいて笑
読書メーターにはちゃんと記録して

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010 | はてしない物語【ネタバレ注意】

010 | はてしない物語【ネタバレ注意】

児童文学の名作、ミヒャエル・エンデのはてしない物語を、大人になってようやく読んだ。
子どものときから本好きで色んな本を読んでいたのに、なんでこの本は読まなかった(というか知らなかった)んだろう?!と思う。
友人に読むなら絶対ハードカバーで、2色刷りので読んでね!!!と激烈におすすめされ、この前図書館で見つけたのでようやく読んだ。

もう、本当に面白い。これほど本の中に入り込み没入感を味わったのはい

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014 | 風と双眼鏡、膝掛け毛布

014 | 風と双眼鏡、膝掛け毛布

久々の梨木香歩作品。
この本は地名にまつわるエッセイ?なのかな。

民俗学に興味があって、宇都宮貞子さんの「春の草木」〜「冬の草木」が積読になっている状態。図書館でぱらぱらめくったときに、これは!読むしかない!と思い借りてきた。

それほど専門的な本ではないが、梨木香歩さんの視点から見た地名と、地名の由来や川のめぐり方など。

この本を読んで、ああ、『椿宿の辺りで』とか『ピスタチオ』を書いた人だっ

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013 | 82年生まれ、キム・ジヨン

013 | 82年生まれ、キム・ジヨン

久しぶりの読書記録。

この本は数年前に話題になって、なんだか話題になりすぎてちょっと遠ざけていた本でもある。
最近、日プ女子を見始めて、K-popをいかに聴いてこなかったかと、その魅力に気づいて、韓国に興味がでてきた矢先、図書館で置いてあったので借りて読んだ。

まず思ったのは、韓国は日本よりも女性差別がひどい(あるいはひどかった)のかな、ということ。
ジヨンの母親が、お腹にいる子どもが男の子で

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012 | 丹生都比売・椿宿の辺りに・ピスタチオ

012 | 丹生都比売・椿宿の辺りに・ピスタチオ

梨木香歩さんの本を続けて読んだので、3冊まとめて感想を書こうと思う。

1.『丹生都比売』

梨木香歩さんの本はこれまで『西の魔女が死んだ』しか読んだことがなかった。そのためこの短編集を読んで、いい意味で度肝を抜かれたというか、こういう系統も書くんだ…!!という驚き。タイトルにもなっている『丹生都比売』は、実在する天皇やその皇子の物語になっていて、日本史に疎い私はどこから創作でどこまで史実なのかわ

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011 | モモ

011 | モモ

ミヒャエル・エンデといえばモモとはてしない物語ではないだろうか。
『モモ』については子供のときから認知はしていた…が、その隣の棚にあったモモちゃんとアカネちゃんシリーズだけ借りて読んでいて、『モモ』を読んでこなかった…!!!

結論から言うと、ものすごく面白かったし、色々と考えさせられる本だった。子どものとき読んだらまた違った感想だっただろうな〜と思った。子どもの時読めばよかった。。。(またしても

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009 | ペスト

009 | ペスト

前書きとして、この本は図書館にすでに返してしまったため、記憶に頼り書いている。おぼろげなところもあるため、その点をご了承ください(もう一回借りれば良かった…)

カミュといえば『異邦人』であるが、コロナ禍になってから急にこの『ペスト』が脚光を浴び、今やカミュといえば『ペスト』という人もいるのではないだろうか。
タイトルは大学時代から知っていたのだが、内容は知らなかったため、なぜコロナ禍になってこん

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008 | レ・ミゼラブル

008 | レ・ミゼラブル

大学でフランス文学を専攻していたのに、レミゼの本はもとより、映画もミュージカルも見たことがなかった。(フランス文学士失格…?!?!)
今回セルフ・リワークをするにあたり図書館へ通うということで、こんなふうに時間のある時じゃないとチャレンジできないレミゼを読むことにした。
ちなみに読む前の事前知識は、ジャンヴァルジャンがパンを盗んだことにより徒刑囚になること、ファンチーヌとコゼットという人名、ミュー

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007 | 嵐が丘

007 | 嵐が丘

この本は、私が中学の時ティーンズ向けの本『トワイライト』を読んだ時に、主人公がたびたび嵐が丘のことを言っていて(もうあまり覚えていないので、気のせいかもしれないけど)、いつか嵐が丘を読みたい…!!と思っていた本。
15年越しに(!!!)叶えた。

読んでみて、先が気になりどんどん読み進めてしまい、2、3日で読み終えてしまった。
読んだ最初の感想は、強烈だ…!!というものである。というのも、登場人物

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005 | とても小さな理解のための

005 | とても小さな理解のための

向坂くじらさんという詩人を知ったのはTwitter上でだった。
Anti-Trenchというユニットで、ポエトリーリーディングをしているという。(ポエトリーリーディングについては、実はまだ見たことはない。)
彼女のnoteや、Twitterを読むうち、その言葉づかいの優しさに、引き込まれた。

詩集が出るというので、発売日にインターネットで買った。実は彼女の詩は、「月子、ハズゴーン」以外読んだこと

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006 | 金平糖の降るところ

006 | 金平糖の降るところ

図書館で借りてきた、江國香織さんの本。結構分厚くて、読むのに時間かかるかなと思ったけれど、面白くて一気に読んでしまった。

主人公は日系アルゼンチン人の姉妹。主要人物はそれに加えて姉の佐和子の夫・達也、妹・ミカエラの娘、アジェレン。この4人が次々に語り手となって、物語は進んでいく。

出てくる登場人物が、まあみんな浮気だの不倫だのしている。全員。なんとなく読むのさえ悪いことをしている気分になった。

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004 | 女の子がいる場所は

004 | 女の子がいる場所は

作品についてと、感想
さまざまな国の女の子(と、女性差別)を描いた作品。5ヶ国分あって、サウジアラビア、モロッコ、インド、日本、アフガニスタンである。

外国の章は、ページをめくるたび、ああ、まだこんな女性差別が行われているんだ、と悲しくなった。
日本の章は、母国だけあってとても身近に感じた。特に、おばあちゃんの台詞、「女の子なんだから勉強なんてできなくていいのよ」は、私も祖母に何度も言われたこと

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003 | 生きてさえいれば

003 | 生きてさえいれば

本当にいい本だった。間違いなく、私の中の印象深い本のうちの一冊となるだろう。
銀河鉄道の夜の「ほんとうの幸」という単語が度々出てくるのだが、それとともに思い出すのは銀河鉄道の夜のこの一節。

この本の最後の方で、主人公の姉が言う台詞は、著者の上記の一節の解釈なのかな、とそう感じた。

この本の著者の方は、『余命10年』という、フィクションでありながら自己の体験をもとにした本を書かれた後亡くなってお

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