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016 | 転職ばっかりうまくなる

最近仕事について(とくに今後続けるのか辞めるのか)悩んでいて、こんな記事も書いてみたけれど、それでもなーうーん、辞める・・・?どうする・・・?というときに、最近よく見かけるこの本を読んでみようと思った。

まずこの著者は、大学卒業後ストレートに就職せず、いろいろな職を転々としている。その時点で、大学卒業後ストレートに就職して、転職したいと思いつつもずるずるもうすぐ10年も働いている私と、全然違う、と思った。
それは悪い意味ではなくて、転職できているのがすごいし、(私は挫折したので)立場が全然違うからこそ、読む価値がある、と思った。

読んでいくうちに、この人、すごいな・・・と思った。まず、転職を何度も経験するというのは、世間ではマイナスに見られがちだけれども、転職を何度もする、って、面接を何度も通っているということなのだ。面接の苦手さに挫折して転職活動を辞めた私からすると、その点でまず尊敬する。

それから、就職しても、自分の感性を失わず大事にしているところもすごいと思う。私も、外の景色や、自然には目を向けていたいタイプで、ふとオフィスの窓から外を見てきれいな夕焼けだったら、誰かに話したいタイプだ。だけど、そんなことする人はあんまりいないから(雨がひどかったり、雷がすごかったりするとさすがにみんな話題にするけど)なんとなく、なかったことにしてしまう。
でも著者は、そんなのは耐えられないと考える。「なりたくない大人になるために、就職したわけではなかった」という言葉が印象的だ。

私は茨木のり子の「自分の感受性くらい」という詩を思い出した。著者は、自分の感受性に水やりをするのを怠っていないのだ。
自分が嫌だからしない、というのは、大人らしくない、と思われることも多く、「みんな我慢してるんだから」「みんな辛いのに頑張ってるんだから」と言われがちだけれど、ほんとうにそうなのだろうか。というか、仕事をするうえでの我慢って、必要なものもあるだろうけれど、不必要なものの方が多いのでは、とふと思った。例えば通勤時間の長さ、通勤ラッシュ。仕事の内容とは関係のない我慢だ。
我慢しなくて済む方法があるのであれば、それを選んだ方が得策のように思える。
ただ、現状を変える一歩を踏み出せるか否か、というと、踏み出せない人の方が多い。ということなのかな、と思う。
だから、現状を変え続けていける著者はすごい。
嫌だ嫌だと思いながらずっと留まり続けている私、それはそれで一つの才能なのかもそれないが、やはり、現状を変える一歩を踏み出せる人を尊敬するし、羨ましいとも思う。

でも、「未来を見つめ直す」という記事でも書いたけれど、ようやく、現状を変える一歩を踏み出したいと思っている私にとって、この本は背中を押してくれるような一冊だった。
私も、自分の感性に水をやり続けていたい。自分の感受性くらい、自分で守りたい。



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