007 | 嵐が丘
この本は、私が中学の時ティーンズ向けの本『トワイライト』を読んだ時に、主人公がたびたび嵐が丘のことを言っていて(もうあまり覚えていないので、気のせいかもしれないけど)、いつか嵐が丘を読みたい…!!と思っていた本。
15年越しに(!!!)叶えた。
読んでみて、先が気になりどんどん読み進めてしまい、2、3日で読み終えてしまった。
読んだ最初の感想は、強烈だ…!!というものである。というのも、登場人物が誰も彼も個性が強すぎるのである。
あらすじとしては、ある屋敷を借りることになったロックウッド氏が、そこに仕える女中からこの屋敷ともう一つの屋敷に住んでいる一族の昔話を聞かされる…というものである。
嵐が丘に住むアーンショー家、スラッシュクロスに住むリントン家、そしてアーンショー家の主人が連れ帰った、出自の分からないヒースクリフにまつわる愛憎劇…という感じだろうか。
なかでも、キャサリン・アーンショーの度がすぎるおてんばと魅力、ヒースクリフの悪魔的な執着心・復讐心が二つの家族を狂わせていっているな、と思った。
それから、登場人物の視点から、ではなく、女中のエレン・ディーンの視点から物語が進んでいく、というのもおもしろかった。なんだか、他人の家族を覗き見する気分になるのである。第3者の視点から語られることによって、特定の登場人物に没入することなく、俯瞰して見ることができるように思う(とはいえ、女中視点なので、見方に偏りはあるけれども。)
この本は、サマセット・モームの『世界の十大小説』にも選ばれているという。(解説より)
研究はたくさんされているようだが、確かに、この本を研究するのは面白そうだなと思った。
フランス文学を研究していたのでついフランス文学を読んでしまいがちだが、英米文学も、めちゃくちゃ面白い。(シェイクスピアは何冊か読んだけど…。)もっと発掘したいなと思う。
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