作・絵…佐野洋子『100万回生きたねこ』
全てを変える出会いってありますよね。
「自分のこれまでの人生は、この人と出会うために繋がっていたのだ」と確信出来る出会いが。
※注意
以下の文は、結末まで明かすネタバレを含みます。
未読の方はご注意ください。
子どもの頃、わたしがこの絵本を初めて読んだ時の感想は、「よく分からない」でした。
「どうしてとらねこはもう生き返らないの? 生まれ変わったら、しろねこ以上に好きなひとと出会えるかもしれないよ?」
なんて思っていました。
それはわたしがまだ子どもだったから。
大人になるにつれ、様々な人たちとの出会いと別れを繰り返した今。
ようやく気づきました。
きっと、とらねこは出会ったんだ…と。
全てを変える、運命の相手に。
自分の幸せよりも、相手の幸せの方が大切で。
特別なことなんて何もなくたって、ただ一緒にいるだけで、心の底から満たされて。
「自分はこの人と出会うために生まれてきたのだ」と全身で感じる。
自分が死ぬことよりも、相手が死ぬことの方が、ずっとずっと辛い。
そういう相手と、とらねこは出会えたのですね。
誰もが何度生まれ変わってこの宇宙を彷徨ったとしても永遠に出会えないままかもしれない、運命の相手と。
だから、もうとらねこは生まれ変わらないのでしょう。
この世にもう、しろねこがいないから。
愛することを知ったから。
〈こういう方におすすめ〉
運命の相手を探している方。
〈読書所要時間の目安〉
30分くらい。
この記事が参加している募集
いつもスキ・フォロー・コメント・サポートをありがとうございます😄 とても嬉しくて、記事投稿の励みになっています✨ 皆さまから頂いた貴重なサポートは、本の購入費用に充てさせていただいています📖