【宇崎ちゃん献血ポスター事件】
2019年10月1~31日の間、日本赤十字社が漫画【宇崎ちゃんは遊びたい!】とのコラボレーション・キャンペーンを行い、フェミニストから「炎上」被害を受けた事件。
キャンペーン内容は関東地方で期間内に献血をすると、同作ヒロイン「宇崎ちゃん」をあしらったクリアファイルが貰えるというものであった。
なおこのイラストは同作第3巻の表紙と同じものである。
赤十字の献血事業と「オタク」文化とは以前から蜜月関係にあり、これまでも様々なアニメ・漫画作品とのコラボキャンペーンが行われている。
また、世界最大の同人誌即売会コミックマーケットでは毎回、会場付近に献血車が待機して献血を募っている光景が見られるなど、重要な献血源となっている(【オタクの血】も参照)。
今回も最初の2週間ほど、つつがなくキャンペーンは行われていた。もちろんこのコラボキャンペーンに「傷付いた女性」などというものも現れなかった。
ところがとあるアメリカ人がこれを過度に「性的」だと批判し、飛びついたフェミニスト弁護士・【太田啓子】が「環境型セクハラ」と称し煽ったため、フェミニスト達がクレーム攻撃を開始。
Twitterトレンド入りして、日本テレビの情報番組『スッキリ』などで取り上げられた。
ここまではフェミニストの思惑通りに行ったかに見えた。
しかし番組や世論の、本件に対する評価は、フェミニストの期待していた通りのものにはならなかったのである。
そもそも宇崎ちゃんは、裸でも水着でもないビキニアーマーでもない。パンチラしかねないような際どいスカートをはいているわけでもない。ごく普通の服装であり、ただ巨乳なだけだったのだから。
肝心の女性出演者からも「セクハラに該当するとは思えない」「ポスターで献血が増加するのは推奨されるべき」「これがいけないなら巨乳の女性はポスターに使えなくなる、その方が問題だ」「それこそ多様性を否定している」との指摘が相次いでしまい、こちらの方が一般人の同意を強く集めてしまった。
太田啓子は「のようなもの」と付けてはいるが、そもそも環境型セクハラに到底該当するようなものではない。
厚生労働省のサイトによれば「環境型セクシュアルハラスメント」の定義は以下のとおり。
もちろん、そんな「見過ごせない支障」どころかわずかな支障や不快すら訴えた赤十字職員など誰一人いないし、常識的にもそんなことは考えられない。『スッキリ』の女性出演者の言う通りである。「ようなもの」ですらない。
そもそもこの手の炎上の類に洩れず、世界一乗降客数の多い新宿駅の献血ルーム前を無数の女性が通ったはずだが、ツイッター上で煽動があるまで何の苦情もなかったのである。
そして分が悪いと悟った太田啓子自身も沈黙してしまう。
このために大混乱に陥ったのが、何の背景理論もなくただアルファアカウントに対する【共感】という名の追従のみで「反対運動」を広めてしまったツイッターの一般フェミニスト達であった。
梯子を外された彼女たちは、テレビ番組等によって集まってきた一般の人々の批判に対し、口から出まかせの「ポスターの悪い点」を別個に主張するしかなくなってしまったのである。然、彼女ら同士の意見も、また他のクレーム事件でフェミニズム側がした主張とも矛盾しまくり、あるいは単独でも非論理性を指摘されまくることとなった。
結局、『宇崎ちゃん問題』は「フェミニストは非論理的」という一般の印象をますます強める結果にしかならず、「アンチフェミニストにとってのボーナスステージ」とまで陰口を叩かれるに至ったのである。
ではフェミニスト達の主張の例を見てみよう。
・「イラストの乳袋はあまりにも異常すぎる!現実にあるような巨乳にまで抗議しているわけじゃない!」
→同程度の巨乳は現実にも実在するし、2018年にフェミニズムが「乳袋」と抗議した【「キズナアイ」のノーベル賞まるわかり授業】でのキズナアイの胸は宇崎ちゃんよりはるかに控えめである。
・「イラストなのが問題!私たちは現実の巨乳女性は差別していない!」
→この直後に現実の巨乳モデル・【茜さや】氏(着衣)を用いた広告に突撃して嘘がばれてしまう。
・「こんな【巨乳は奇形】だ!!」
→仮にも「反差別」を標榜するのに人の身体的特徴を奇形呼ばわりとはどういうことか。なお発言者のひとり【岩渕潤子】のトンデモ振りは当センサイクロペディアにも項目がある。
・「【公共の場】に出すものは多方面への配慮が必要!!」
→現代においてフェミニズム=左派であるため、公共の場で開催された「あいちトリエンナーレ」への態度との矛盾を暴かれる。
・「宇崎ちゃんは献血という【内容と無関係】じゃないか!」
→「宇崎ちゃんと献血とのコラボ企画」と宇崎ちゃんに関係がないわけがない。そもそもコラボとは、ファン層の異なるもの同士を組み合わせることによって、それぞれが顧客を新規開拓するものである。
・「萌え絵は女児向けアニメなど普通のアニメ絵とは違って性的!」
→2018年にフェミニズムは「普通の女児アニメ」代表たるプリキュアの【抱き枕】を攻撃している。
・「アメコミは巨乳でも性的強調じゃない!」
→日本人フェミニストのアメリカに対する幻想に過ぎない。2016年、アメコミヒロインの【ワンダーウーマン】は国連の「女性や少女に力を与えるための国連名誉大使」なるものに採用されたが、フェミニストの抗議で解任されている。
・「フェミニズムが抗議してないイラストもあるということは、抗議されたものはどこかおかしかったということ」
→「殺人鬼に殺されなかった人もいるから、被害者が悪かったに違いない」というのと同程度の理屈である。
・「過去のコラボキャンペーンのキャラはこれほど巨乳ではない!」
→と言った瞬間に他フェミニストが空気を読まずにその提示された過去のイラストも叩いてしまい、せっかくの擁護が台無しになってしまった。
・「台詞で『注射が怖いんスか?』などと煽っている!この台詞は献血できない人を傷つける!」
→「センパイ」と呼び掛けてからその台詞を言っているのに、お前はいつ宇崎ちゃんのセンパイになったんだ?
・「宇崎ちゃんの表情が『アヘ顔』である!」
→「アヘ顔」とはアダルトアニメなどで使われる、オーガズムに達した女性の表情を誇張した絵。おおむね「白目を剥く、だらしなく口を開け、舌が見える」などの特徴がある描写で、本件イラストとは似ても似つかない。
・「なんでウェイトレスなんだ!献血と何の関係がある!」
→作中でウェイトレスのアルバイトをしているから。
・「キモい【オタクの血】なんて輸血されたくない!!」
→ちなみにフェミニストによると「オタク差別なんて存在しない」そうな。なおこの【オタクの血】差別発言はのちに、2021年末のコミックマーケット99に際しても繰り返されることになる。
・「【献血ボイコット】しようぜ!!!」
→ い い 加 減 に し ろ 。人の命をなんだと思っているんだ?
このように必死の言い訳を繰り返しながらも、アンチ宇崎ちゃんフェミニスト達は劣勢を自覚せざるを得なかった。特に「巨乳は奇形」「献血ボイコット」で論理性ばかりでなく道徳性すら皆無であることを暴かれてしまう。
しかもコラボレーション自体が盛況であり、完売による途中終了。献血量自体も期間中、統計的に目に見えて増加という状況であった。フェミニストの精神的ダメージ・イメージダウンはともに深刻であった。
そこで翌年2月、宇崎ちゃんキャンペーンの第2弾が出た時、フェミニストは飛びついたのである。「我々の抗議によって改善された!図柄が変わったのがその証拠!フェミニズムは負けてないんだーーーー!!」と。
ちなみに下の写真は、フェミニストが「私達の意見を取り入れた赤十字が改善した」ことにするため第2弾を無理やり褒める文字を書き入れたもの(投稿アカウントは現在凍結)。どうやら献血をどこでやるか知らないらしく「場所と設定は病院の受付で献血に適切」と書いてある。
なお実際には、第2弾はその実施も図柄が変わることも最初から予定されていたものであったことが事前告知により明らかになっている。
また、第2弾のイラストが「フェミニズムに配慮した」ものであるという偽りの勝利宣言も原作者直々に否定された。
ちなみにこの「炎上を受けて作成したというガイドライン」なるものは赤十字が作成したとメディアの取材に答えたものだが、その内容は一切明らかにされておらず、フェミニズムに何か迎合するものだったのかも不明なのだが、おそらく単にポスターの掲示を一時控えるものであった可能性が高い。
というのは、後の『ラブライブ!』コラボキャンペーンではポスターも復活してしまっているからである。しかもこの後、フェミニストが『ラブライブ!』を攻撃した際に槍玉に挙げた「股間の形状がスカートの皺となって現れている描写」が、赤十字のポスターでもしっかりと描かれていたのは、まるでフェミニストを嘲笑うかのようであった。
ちなみに、原作者は本件コラボに協力したそもそもの動機として、自身が阪神淡路大震災の被災者であり、恩返しのためにコラボに協力したことを明かしている。
これに対してバッシング側から返ってきたのは、反省の弁……ではもちろんなかった。目を覆うばかりの誹謗中傷だったのである。
もし彼らが献血をすることがあるなら、その血の色を見てみたいと思うのは私だけだろうか。
その後【宇崎ちゃんは遊びたい!】という作品は、フェミニストや海外のSJWの逆恨みを買い、様々に誹謗中傷を受ることになる。
が、それをものともせず、(本件で知名度を上げたこともあって)人気を拡大し、以前から予定されていたアニメ化も成功裏に終わり、2期の製作も決定している。
結局、彼らの発言は必ずといっても良いほど裏目裏目に出て、いわゆる【ツイフェミ】の評価は地に落ちた。アンチフェミニストの論者には、数あるジェンダー系炎上事件の中でもこの事件こそ特に「潮目」であると考える者も多い。
その後もラブライブみかんポスター事件や【君野イマ・君野ミライ】事件、【お母さん食堂】改名要求事件など、無数の炎上を経てこの評価はじわじわと補強されていく。
そして2021年、【戸定梨香】事件の加害者がツイッター外の【全国フェミニスト議員連盟】であったことにより、ここから続くツイフェミ評が「フェミニスト」評として捉え直され、フェミニズムそのものへの不信感として拡大することとなるのは、「宇崎ちゃん」から2年後のことである。
参考リンク・資料:
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