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【「キズナアイ」のノーベル賞まるわかり授業】

 2018年、NHKが開設したノーベル賞の解説サイト『まるわかりノーベル賞2018』内に設けられたコーナー。
 バーチャルYouTuberの嚆矢にして現在でもその最も人気あるひとりである「キズナアイ」がゲスト出演し、2018年の受賞候補となっていた科学研究の概要について、専門の科学者たちから授業を受けるという内容。ちなみに実際に受賞したものと一致したのは本庶佑氏の医学・生理学賞の受賞であった。
 例によってフェミニズムによる攻撃を受けたが、NHK・キズナアイの双方から無視され、ネット上の論争でも完封状態という結果に終わる。以下フェミニスト達の言い分を見てみよう。

 まずフェミニスト系弁護士の【太田啓子】が噛みついた。

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 キズナアイはヘソこそ出してはいるが、水着に近いような特別セクシーな格好をしているわけではない。むしろ健康的なファッションと言えるだろう。胸のサイズも、この1年後に【宇崎ちゃん献血ポスター事件】の渦中のヒロインとなった宇崎花に比べて全然普通サイズである。

 にもかかわらずフェミニスト達はこれを「性的」と決め付け、果ては【乳袋】とまで呼んで攻撃したのである。ちなみに乳袋というのは、いわゆるオタク用語で「女性のバストを強調して見せるために、不自然に服が乳房に接着しているかのように描くこと」を指す。キズナアイの服は多少ぴっちりしてはいるが、それゆえに乳房の形も自然な程度にしか外形に出てはおらず、彼女がこれに当てはまっているとは思われない。
 むしろ仮にキズナアイのバストをトレースして、献血ポスターの宇崎ちゃんの胸を同サイズに縮めた画像を作り「修正案」としてフェミニストに提示したら、おそらく彼女たちは「そうそう!【こういうのなら良かったのに】!」と愚かしく飛びついたに違いない。

 そしてアイキャッチの具などと言われても、そもそも出演しているのだから【内容と無関係】なわけでもなんでもなく、スペシャルゲストを大写しにするのはむしろ当然のことである。そもそも特定秘密保護法案反対のポスターに、こんな風に自分を映していた人間に言う資格はないと思うのだが(キズナアイほどアイキャッチャーとして有能かはともかくとして)。

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 そして性的である以上にフェミニズムの無様さを晒したのが武蔵大学社会学部教授・千田有紀による「キズナアイが相槌鹿打たないバカ女にされている」というデマである。

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「相槌しか打たない」?
 捏造もいいところである。
 キズナアイは3つ(医学・生理学賞、物理学賞、化学賞)の「まるわかり授業」全てにおいて、質問や例示、感想などを述べてインタビュアーとしての役割を果たしていたのであり、「相槌しか打たない」など完全な大嘘であった。これを仮にも大学教授の肩書を持つ「社会学者」がやったのである。

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(実際の授業動画より)

 このことはその後の本人の弁解「私を誰だと思っている」「査読論文が無くても問題ない、私はもう査読する側だから」などの珍発言ともあいまって、社会学そのものの相互チェック機能の欠如という問題にまで波及し、そのあまりのいい加減さにネットを唖然とさせることとなった。

 フェミニストの思考パターンを知らない多くの一般の人には、千田氏が挙げた項目の前半は意味不明であるだろう。「女性は理系が苦手というステレオタイプ」と「女性の多くが理系に進まない現実」があるのなら、ますます「子どもを対象にした」「教育的教材で」すすんで科学を学ぶ女性の姿が描かれることはとても良いことである。
 普通に考えるなら。

 しかし、フェミニストにとってはそうではないのである。

 なぜなら男が女に教えているからだ。それが差別表現なのだとフェミニストは強弁し【マンスプレイニング】という名前まで付いている。

 しかしそもそも千田氏自身が指摘するように、現代日本では圧倒的に科学者は男性が多い。別に女性が科学者になるのを邪魔する制度があるわけではないので女性が勝手にならないわけだが、それはそれとして事実として男性が多い。そして本件は漫画やイラストの話ではない。実在の科学者による公開授業なのである。数少ない女性科学者がその分野のその研究機関で、研究者として都合よく在籍しており、いつでも撮影に応じられる状態にあるわけではない。今の日本で科学インタビューに応じる側に男性が多いのは、差別ではなくただの状況的必然である。

 しかも前年の同様の企画では、授業を受けるのが鈴木福氏(男性)で、教える側が女性であったた。なるべくは男女のバランスを取っているのである。

 そもそも「女性が男性に教わるのがまずい」のであれば、男性の専門家(または男性が応対するかもしれない専門機関)にインタビューする役は女性に任せられなくなってしまう。その方がよっぽど女性差別ではないか。

 これらの珍説は、太田・千田という2人の奇人だけの珍発言ではない。ネット上でフェミニスト達は、こんな馬鹿げた理屈をこぞって応援し、キズナアイとNHKを叩いていたのである。

 なお太田・千田両氏のほかに以下のような珍獣も出没した。

森次慶子:
昔ポケモンに少し関わったことがあるらしいのが一生の自慢のイラストレーター。「こんなのと違ってディズニーには胸の谷間を描かない!」と海外出羽守ぶりを発揮するも、一瞬にして何枚もの「谷間を出したディズニープリンセス」画像を出されて大恥をかく。なおかつキズナアイが絵画に挑戦してみた新作動画を「画家である自分に対する煽り」だと思い込みで憤り、更にお馬鹿を晒す。

池内恵:
森次氏に御執心*2なため参戦した人。イスラム研究の東大教授という、およそ関係の無い分野の人であり、キズナアイ叩きを応援しようとしたが具体的に何も知らないので「大多数の保守的倫理規範」に反すると言い張るしかなかった。「まあこの炎上を受けてNHKも健全化するでしょ。企画書は今パタパタ閉じられているよ」と悔し紛れに言った直後、より露出度の高いVtuberミライアカリがNHKに抜擢され、何の根拠も信頼性もないことが丸バレする。

汐街コナ:
本件を性的搾取としてバッシングし、千田有紀の論を崇め奉っていたイラストレーター。過去作の性的さばかりか事後に出した『ビジュアル宝石キャラクター図鑑』さえも酷いもので、キズナアイ叩きに言っていたこととの矛盾で炎上。特にサードニクスという宝石のキャラは「キズナアイ以上の露出度の高さ」「キャラクターで入りやすくした子供向けの本」「恋愛・結婚成就のおまじない用の石を女性として擬人化したジェンダーロール的無神経」とあらゆる点で「本人が言っていた本件への批判」がそのまま刺さり、ネットのいい笑い者になった。

参考リンク・資料:

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