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 大手コンビニエンスストアチェーンのファミリーマートが2017年~2021年のあいだに販売した、惣菜シリーズ商品。
「『家族の健やかな生活』を想って作った、 美味しくて安全・安心な食事と食材を提供するブランド」であり「一番身近で美味しくて安心できる食堂」を目指す」ことを理念としており、CMキャラクターに元SMAPの香取慎吾氏を起用している。

 香取氏は2000年頃にテレビ東京系の児童番組『サタ☆スマ』で「慎吾ママ」というキャラクターを演じ、慎吾という男性名を保ちながら「母」としての役割をこなす、ある意味で非常にジェンダーフリーな役どころで話題になった人物であり「お母さん食堂」への起用もそれを意識しているとみられる。

 2020年10月30日にツイッターアカウント「ピンフスキー」氏が、フェミニストに対するからかいの意を込めて、彼女らが「差別表現」に憤るときの口調を真似て下記ツイートを呟いた。

 これは単なるジョークであったが、そのジョークがわずか2か月後に現実のものとなった。
 女子高校生が本当に「お母さん食堂」は「料理をするのは女性という偏見を助長する」として、名称変更を要求する署名運動に走ってしまったのである。

 これはピンフスキー氏のツイートを真に受けてのことではなく、ガールスカウト日本連盟の肝いりによるものらしい。

 女子高校生たちは、世のお母さんたちの料理の負担を現実に減らしているのは、まさに「お母さん食堂」のようなお惣菜販売サービスであるということは頭にないようである。
 なお署名ページでは「日本は2019年の男女平等ランキングで、121位*という順位が出ています」と、ここでもまた偏った指数として悪名高い【ジェンダーギャップ指数】が持ち出されている。
 ガールスカウト日本連盟のツイートでは「『商品名』が人の意識に与える影響はとても大きい」と根拠なく述べているが、「お母さん食堂」のような名称が現実の男女についての性役割の強要を助長している根拠などどこにもない。

 そもそもその理屈であれば「俺の~」「頑固おやじの~」といった多くの商品名が「女性差別解消」に奏功しているはずなのだが、フェミニストたちがそれらを正当に評価したという話も聞かれたことがない。

 実際に何かの名前を変えることで実際に現実の被差別者の境遇が改善されたという因果関係を示す資料は歴史上存在せず、こうしたタイプの運動は「言葉狩り」と呼ばれ批判されている。

 本署名運動もまた「言葉狩り」であるに過ぎず、反対署名運動も立ち上がった。

 しかし、おそらくは反対署名の力で止めるまでもなく、改名要求署名はその後も盛り上がることはなく最終的に7561筆で終了。結局ファミリーマートには相手にされず、お母さん食堂はその後も何事もなかったように存続する。
 なおこの筆数はその後の「戸定梨香」弾圧事件の際、フェミニスト「に」抗議する署名運動によって、たったの3時間で追い越されたことが語り草となっている。

 余談ながらフェミ系インフルエンサーの石川優実は、改名要求を応援しようと動画やツイートを投稿したものの、動画は低評価の嵐。さらに自分自身がかつてお母さん食堂のお惣菜を買ってアップしていたツイートが発覚し、笑い者になった。

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 ところが翌2021年の10月11日になって、フェミニスト達は「私達の要求が通った!お母さん食堂が改名される!」と突如わめき始めたのである。

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 もちろん、実際にはそうではなかった。

 ファミリーマートは創業40周年記念として新ブランド「ファミマル」の立ち上げを決定、「ファミリーマートコレクション」等のシリーズを統合した新しい商品ブランドとして発足することにした。その統合ブランドの中に「お母さん食堂」も含まれていることが発表されただけだったのである。

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 当然ながら、2021年がファミリーマート創業40周年であることは40年前からの決定事項であり、そこにフェミニストは何も加功していない。
 同年10月18日の発表会で、ファミリーマート社の足立ヒカルマーケティング本部長は「ファミリーマートコレクションとお母さん食堂の刷新は以前から決まっており、署名活動自体は刷新の意思決定の要因になっていない」と正式に関連を否定した。

参考リンク・資料:

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