フォローしませんか?
シェア
ヒトシ
2021年8月6日 12:06
西に傾く炎天の太陽陽射しの力はまだ強く大地の熱は冷めぬまま遥か彼方に立ちのぼる大きな大きな入道雲生き物のように湧き上がり涼しげな濃い紫の影を拡げるおーい、そこのきみーそんなところで見てないでさっさとこっちへおいでなさい畑の野菜も学校の花壇の草花もみんなで君を待ってるよー
2021年8月2日 16:24
それは、収穫適期まであと数日に迫っていた。苗を植えてから2ヶ月半、小さな実をつけてから1ヶ月余場所も時間もかかるけど、夏一番に収穫が楽しみな君。日ごとに縞模様がくっきりと浮かんできて叩けばコンコンと水分たっぷりの音を響かせてあともう少しと楽しみにしていたのに。ああ、それなのに、それなのに。無常にも、それは空中からの刺客に襲われて外壁を破られ、ぱっくりと傷口を開いてい
2021年7月26日 14:26
お社の大樹が参道に濃い影を作る。短い命を燃やす蝉時雨が容赦なく鼓膜をつんざく。からん、からんと鳴る錆びた鐘の音。ぱん、ぱんと響く乾いた柏手。まるで映画のように蝉の声が一瞬鎮まり、深い海の底のような蒼い静寂が支配する。深く一礼をして祈りを解いたその人はひとつ深呼吸をして歩き出した。
2021年6月8日 14:32
夏本番を思わせる太陽が 麦わらの天辺を強烈に刺す梅雨の気配はどこへやら せっかちな一番蝉が鳴く夏の畑は変則シフト 朝夕2回のサマータイム制昼のひなかは太陽の出番 葉っぱを照らして光合成その間わたしは畳で大の字 うちわを扇いで昼休憩森からの涼風が そよりそよりと遠慮がちに吹いて玄関の白い薄布を ふわりふわりと優しく揺らす夕べの仕事をイメージし うつらうつらと夢の入口
2021年5月14日 17:27
去年の秋、森の古屋に住むことになった時夏にはこいつをそばに置こうと決めていた日本の家屋もだんだん機密性が良くなって殺虫剤の性能もあれこれいろいろ進化して無臭や微香や無煙が好まれるようになって久しくこいつを見かけていなかったけれどこの古家にしっくり来るのはこいつだろう暑かった今日も暮れて、畑終わりのひとっ風呂そして冷えたビール大好きな森に続くガラス戸を全開にしたら