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セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター

ヴィム ヴェンダース監督の、写真家、セバスチャン・サルガドのドキュメンタリー的映画。 サルガドの人生をかいつまんで言うと、ブラジルの酪農家の息子が世界中を飛び回って社会派の写真を撮り、人間の残虐さにほとほと疲れて自然に癒され、動物や植物の写真を撮るようになる・・・というもの。 映画の中であまりフォーカスされないけど、何より奥さんがスゴイ。そもそも最初のカメラも、奥さんが仕事で必要で買ったものだし。2人は多分、根本的にとても気が合うのだと思う。 彼は、毎回テーマを持って写

    • バリ島の夏休み vol.13

      朝食を食べてせっかくなので街に出てみるかと思ったのだけど、あいにくの雨が降ってきた。本当は主要箇所をぐるっと回る観光バスに乗ってしまいたかったのだけど、そもそもお金を持っていなく、両替所やバス停を探したりしているうち雨足もひどくなってきて面倒になってしまった。ラッフルズの周りをぐるっと歩いたけど、何とも言えない独特のオリエンタリズムが漂っていて、実にシンガポールらしい。 出かけるのは止めようという話になり、結局部屋に戻った。どうやら昼ごはんも食べてよいみたいだったけど、朝

      • めぐり逢わせのお弁当

        食べることが、好きだ。 なので、食べ物を扱った文章や映像やその他も好きだ。お弁当がいっぱい出てくるこのインド映画は、もうタイトルだけで観に行くと即決した。 インド映画ってそんなに観たことがなくて、イメージするのは「踊るマハラジャ」だったのだけど、この映画はマハラジャとは全然違う。いわゆるドリフターズのようなものしか映画にならないのだなって思っていたけど、インドも変ってきているのを感じさせる映画だった。 舞台はインドのムンバイ。 ムンバイは東京と同じように、郊外から長時間かけ

        • パディントン

          息子君が振休だって言うので会社休んでデートしてきた。下の子が小さくて映画館に行かれないので、我慢が続いたお兄ちゃんと映画デート。 息子君のリクエストにより映画は「パディントン」。リクエストなので何の映画か良く分からないで行ったのだけど、どこかで見たことがある、赤い帽子かぶって青いコートを着たクマのことだった。上映館は少ないわけじゃないんだけど、どこも1日1,2回と放映回数が少ない。平日ということもあるけど、入りは半分くらいで、イマイチ盛り上がってない感じ。 でもこれが、結

        セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター

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        • 徒然
          3本
        • シネマ
          9本

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          バリ島の夏休み vol.12

          一夜明け、窓の外を見ると実にシンガポールらしい景色だった。遠くにマリーナベイサンズ、目の前にはシンガポールを代表するホテル、ラッフルズが見える。あっちに泊まりたかったな…なんて罰当たりなことを考えつつ、そういえば朝ごはん付いてるって言ってたことを思いだし、いそいそと用意を始める。 シンガポールは2度目だった。乗り継ぎではもっと行ってるのだけど、ちゃんと街に出たのは2度目。1度目はもっと若い独身の頃、友人達と行ったのだ。その時はマレーシアからバスで向かい、シンガポールで合流す

          バリ島の夏休み vol.12

          アリスのままで

          ジュリアン・ムーアが若年性アルツハイマーの女性を演じている。 この女優さんキレイよね。好き嫌いはあると思うけど、現在56歳?お綺麗だし、若い頃より歳とってからの方が美しいと思う。白人らしい皺っぽい感じにはなってるけど、品が出てきて若い頃より好き。ハリウッドは男女格差が大きく、女性は歳をとると出演オファーもめっきり減ってしまうようだけど、コンスタントに映画に出ていて作品にも恵まれている。でも運というより努力の人な感じがします。 彼女の作品では「美しすぎる母」が強烈に印象に残

          アリスのままで

          彼は秘密の女ともだち

          飯田橋のギンレイホールの年パス買って、今年はいっぱい映画が観れるとホクホクしている。ギンレイホールは今や少なくなってしまった名画座で、今でも2本立てで上映している。年パス買うと放映されるものはできるだけ観たいので、選んで観るということをしなくなるのだけど、思わぬ名作に出会うこともある。ギンレイで観る映画は、基本的にあまり予習しないで観る。この日も何をやるのかもよく分からず観に行ったのだけど、「彼は秘密の女ともだち」という映画だった。”彼”は”女ともだち”なのね。そのまんま、彼

          彼は秘密の女ともだち

          バリ島の夏休み vol.11

          さて、こうして振り返ると楽しかったことも多かった、というか、楽しかったことばかりが強調されて思いだされるのだけど、今回は荷物が届かず、盗難に遭い、それなりに振り回されてかなりグッタリした。 盗難にあった荷物の件では、滞在中もシンガポール航空とずっとメールでやり取りをしていた。インドネシアのオフィスでは埒があかないので、日本のオフィスにメールをしたのだが、日本からは迅速に返事をもらい、その後の対応も丁寧にしてもらったのだけど、交渉や細かに必要なことがあり、先方も私の話を受けて

          バリ島の夏休み vol.11

          アデル、ブルーは熱い色

          フランスのコミックが原作だけど、ストーリーも違うし「青い髪の女の子」「同性愛」というエッセンスだけいただいた別作品という感じかな。そもそもの尺が長く、話題となったセックスシーンは早送りしたいくらい長くてお腹いっぱいになるんだけど、あのシーンがあるからこそ2人の関係もよりわかる部分もあって削るわけにはいかないのでしょうねぇ。 主演の2人にとって、とても辛い撮影だったようだけど、あのセックスシーン観てたらそりゃ辛いだろうなって思う。あれだけのものを世間にさらけ出す覚悟もだし、愛

          アデル、ブルーは熱い色

          バリ島の夏休み vol.10

          ホテルから海の方に歩いている時、すぐ近くの部屋で何やらごそごそしている人たちがいた。バリ島の伝統舞踊の衣装を着た女性たちが数人、1階の部屋の前にいる。道に面した部屋なので中の様子が見えるのだけど、どうやらこのホテルで結婚式を挙げるらしく、花嫁さんが準備をしている最中だった。 バリで結婚式を挙げる時、バリの民族衣装を着る方達も多いけど、この方は純白のウエディングドレス。 白人だしね、民族衣装着ちゃうよりいい気がします。 海の前のレストランでは、音楽隊が待機していた。リハーサ

          バリ島の夏休み vol.10

          バリ島の夏休み vol.9

          いつも泊まっているホテルのすぐ近くに、「タンジュンサリ」という老舗ホテルがある。こじんまりしたホテルで、ミックジャガーやオノヨーコ、先日亡くなったばかりのデビットボウイ等の著名人に愛された、バリ島では有名な宿だ。 宿泊しているホテルからすぐなので、ビーチ沿いを散歩していると前を通ることになり、何度もホテルの前を通っている。遊歩道からはホテルのプールやレストラン、それから海側にはレストランのビーチ席を見ることができて、通る度にうーん、なんて素敵と思っていた。砂浜も、ここだけす

          バリ島の夏休み vol.9

          バリ島の夏休み vol.8

          ビーチホテルに泊まっていても、朝市には必ず行く。サヌールにある市場は屋内で小ぎれいだから、観光客でも買い物しやすい。市場の前は夜になると、食べ物屋さんがダーッと並んで地元料理の屋台村になる。 バリの女性は毎朝市場に行く。そこで食材や雑貨、おやつ等を調達する。バリにもスーパーマーケットはあるし、それは年々増えているけど、日々の買い物はやっぱり市場。値段も鮮度も全然違うしね。サヌールの市場は良心的で、ふっかけられたりもしないし、交渉もあまり必要ない。買えよ!みたいな押しつけがま

          バリ島の夏休み vol.8

          バリ島の夏休み vol.7

          家族からの強い希望があって、バリ島はウブドの他に必ずビーチサイドにも泊まる。いわゆるリゾートなわけで、以前の私はあまり興味がなかったのだけど、子どもはやっぱり海やプールが楽しいみたいだし、両親もリラックスできてビーチリゾートも好きだそう。 いつもサヌールという街に宿を取っている。高級ホテルはなくて長期でバカンスを過ごす欧米人が多く、こじんまりしてのんびりしたところが気に入っている。ホテルを一歩出れば美味しい店がいっぱいあるのも便利。何度も泊まるうち、私もサヌールが大好きにな

          バリ島の夏休み vol.7

          バリ島の夏休み vol.6

          バリ島には毎回両親を連れて行くので、大人数だし年寄だし、車をチャーターしてしまったりタクシーを使う方がよいかと思い、今までバイクを借りることをしていなかった。今回バイクを借りた大きな理由は、上の子を現地のサマースクールに行かせるため、送り迎えをしなければならなかったことが大きい。 サマースクールはウブドの友人が声をかけてくれた。彼らの子ども達が通っている学校で、夏休みの間、サマースクールが開かれている。ランチ付で、日本の学童クラブに比べると、音楽やスポーツ、ダンスなどとカリ

          バリ島の夏休み vol.6

          バリ島の夏休み vol.5

          市場から帰ってくると、ホテルのフロントの人がシンガポール航空と電話で話したという。先方は荷物はホテルに送ったのでもうこの件は終わったと言っているらしい。でも私たちは荷物を受け取っていない。一体私たちの荷物はどこへ行っちゃったの? 今回、ウブドではバイクを借りてみた。そもそも公共の足が不便なバリ島にあって、更に不便なのがウブド。中心地を回るバスくらいあっても良さそうなのに、ベモと呼ばれる乗合バスが中心地を外れた地域を走っているだけで、メータータクシーもない。だからバリ旅リピー

          バリ島の夏休み vol.5

          バリ島の夏休み vol.4

          ウブドの友人はご夫婦で雑貨屋や飲食店を経営している。店にはしょっちゅうお邪魔しているのだけど、ご自宅は初めて。ウブドの郊外にある彼らの家は、素晴らしい田んぼの眺めで溜息が出た。これぞ、ウブド。でも着実に失われつつある景色だ。よく泊まるホテルの近くに、蓮池を挟んで2つのカフェがある。どちらも田んぼの風が気持ち良い素敵なカフェだったのに、今回行ったらカフェと田んぼの間に大きなぬり壁のようなホテルが建っていた。カフェからはもう、壁しか見えない。こんなことが、ウブドの街中で起きている

          バリ島の夏休み vol.4