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バリ島の夏休み vol.5

市場から帰ってくると、ホテルのフロントの人がシンガポール航空と電話で話したという。先方は荷物はホテルに送ったのでもうこの件は終わったと言っているらしい。でも私たちは荷物を受け取っていない。一体私たちの荷物はどこへ行っちゃったの?

今回、ウブドではバイクを借りてみた。そもそも公共の足が不便なバリ島にあって、更に不便なのがウブド。中心地を回るバスくらいあっても良さそうなのに、ベモと呼ばれる乗合バスが中心地を外れた地域を走っているだけで、メータータクシーもない。だからバリ旅リピーターの多くはバイクを借りる。レンタル料も1日700~800円程度と安いし、スクータータイプだけど日本の50ccより一回り大きく、2人乗りにちょうど良い。ウブドのような田舎では、バイクがあるとかなり行動範囲が広がる。

この日は、毎週日曜日に友人の店で開かれているサンデーマーケットに行くことにした。ホテルからマーケットの場所までかなり距離があるし、母は足の骨を骨折していてろくに歩けなかったのだけど、バイクがあるので大丈夫。ウブドの中心地は一方通行なので、ぐるっと回ることになるけど、それでもバイクの方がずっと早い。

マーケットには、友人親子が作っているドーナツや、有機栽培の野菜、手作りのジャムゥ(インドネシアの薬草ジュース)、手作り石けん等が並ぶ。これらを色々買い込み、バッグ屋の友人の店でも買い物して、ごはんも友人のカフェで買っていくことにした。彼女のレストランは、とてもリーズナブルで美味しい。メニューも身体に優しいものばかり。

まだ荷物が届かないのに、向こうは送ったと言っていることを友人に話すと、友人が電話をかけてくれた。電話はなんと繋がり、荷物を別のホテルに送ったので、そちらのホテルに転送すると言っているとのこと。どうやら1泊目のホテルに届けてしまった模様。何でもいいから早く届けて欲しい。暑いバリ島で、小さい子の着替えがないのがどんなに不便か。

その日の夜中、私はしびれを切らして、日本のシンガポール航空に事情を書いたメールを送った。送ったすぐ後、部屋の電話が鳴り、フロントから荷物が届いたと連絡があった。夜中で子ども達も寝ていたので、運んでもらわず自分達で取りに行ったところ、スーツケースに巻いていたベルトがない。どうやら他にも色々なさそう。手荷物遅延でようやく届いたと思ったら、今度はガッツリ盗難に遭っていた。両親の荷物も届いたが、時間が遅いのでそのまま私たちの部屋に置き、翌朝届けることにした。

翌朝、荷物が届いたがどうやら盗難に遭っているので、無くなった物を確認してほしいと両親に告げると、母は衣類とタブレットがない、父はカメラがないと言う。なんでそんな物を預け荷物に入れているのか…呆れてしまったが、以前だったらそんなことはなかった。両親も年をとってきて、そろそろ海外旅行も難しいのかもしれないな、と思った。

カメラはもう仕方ないが、タブレットは通信機能があるので止めなければならない。でも番号が分からないという。そもそも何でタブレットを買ったのか?という感じなのだけど、上手いこと言われて買ってしまったようで、でも全く使いこなせていなかった。そんな、普段使っていないものをわざわざ持ってきて盗難に遭うって…。番号が分からないと通信を止められないので、メールで連絡して義理の妹に家に入ってもらい、請求書を探してもらったりして一苦労だった。そんなやり取りでどんどん時間が過ぎていくのも勿体ない。何だか今回の旅は、荷物のおかげで始終落ち着きのないものになってしまった。